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2019 Fiscal Year Annual Research Report

音楽情報信号を対象とした階層的順序構造の獲得

Research Project

Project/Area Number 19J15634
Research InstitutionFuture University-Hakodate

Principal Investigator

澤田 隼  公立はこだて未来大学, システム情報科学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2019-04-25 – 2021-03-31
Keywords音楽情報科学 / 旋律分割 / ドラムパターン / 相互作用 / 記号接地 / 記号創発
Outline of Annual Research Achievements

本研究では信号からパターンを抽出するモデルを構築し,大域的な構造に基づく評価関数を設計することで記号と信号の相互作用フレームワークの構築を目指している.当該年度に行ったことは大きく分けて以下の二点である.(1) 信号からパターンを抽出するモデルの設計と実装.楽曲内の大域的な構造に基づいた評価関数の設計を行い,ドラムパターンにおける相互作用フレームワークの構築を行った.(2) メロディの生成モデルの構築.適切な記号接地問題の本質的な解決として,メロディーにおける記号創発問題に取り組み,教師なしの旋律分割が可能となった.
(1)について,ドラムパターンにおける相互作用フレームワークの構築と認識精度の向上が確認された.音楽は,リズム,メロディー,ハーモニーの三要素からなる.そのリズムに着目し,ドラムパターンのモデル化と識別を行った.楽曲内の大域的な構造として,ドラムパターンの遷移確率に着目し,ドラムパターンのモデル化と識別を行った.また,本研究では記号と信号の相互作用フレームワークの構築を目標としており,ドラムパターンの遷移確率に基づいた評価関数を設計し,ドラムパターンにおける相互作用フレームワークの構築を行った.これにより,ドラムパターンの認識の精度の向上を確認した.
(2)について,メロディーの生成モデルの構築を行った.メロディーの生成モデルとして,音符レベルの生成モデルと旋律レベルの生成モデルを階層的に組み合わせたものを用いた.これにより,旋律らしさが定義可能になり,教師なしの旋律分割が可能になった.本研究では,記号と信号の相互作用により適切な記号接地を目標としており,この解決として記号創発問題に取り組んでいる.記号創発とは,計算機自体が記号系を生み出す過程を作り出すことである.ここではメロディにおける記号創発問題に取り組み,教師なしの旋律分割が可能となった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度の計画では,信号からパターンを抽出するモデルを構築し,大域的な構造に基づく評価関数を設計することで記号と信号の相互作用フレームワークの構築を目標としていた.
本年度は,音楽を構成する重要な要素の一つであるリズムに着目し,ドラムパターンにおける大域的な構造に基づいた評価関数の設計を行い,ドラムパターンにおける相互作用フレームワークの構築を行った.それにより,ドラムパターンの認識精度の向上が確認できた.ドラムパターンにおいて提案するフレームワークの有用性が確認できたことは大変意義深い.一方で統合的な音楽におけるフレームワークの構築や,ひいては一般的な信号・記号に対するフレームワークの構築には至っていない.
また,本研究では適切な記号接地を目標としている.適切な記号接地問題の本質的な解決として,記号創発問題が提唱されている.本年度は音楽を構成する重要な要素の一つである旋律に着目し,旋律における記号創発問題に取り組み,教師なしの旋律分割が可能となった.現段階では旋律の記号を対象としたものであるが,音楽音響信号を対象とした記号創発が可能になれば,音楽における本質的な記号接地問題の解決の糸口になると考えられる.

Strategy for Future Research Activity

基本的には計画通り行う.記号接地問題の本質的な解決として,記号創発問題に取り組んだが,今年度では継続してこのテーマに取り組み,音響信号を対象としたモデルの構築を目指す.また,適切な記号接地に基づいた応用システムの実装を計画しており,類似楽曲検索システムを実装する.楽曲の音響信号をクエリとした楽曲検索や,楽曲の表層にとらわれない類似度評価を行うことでき,従来手法の音響特徴量をベースにした類似楽曲検索システムと比較などを行うことでその有用性を検証する.

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] TransDrums:ドラムのフィルインとドラムパターン遷移確率に着目した2曲間のドラムパターン対応付け手法2020

    • Author(s)
      澤田 隼, 深山 覚, 後藤 真孝, 平田 圭二
    • Journal Title

      情報処理学会論文誌

      Volume: 61 Pages: 768-776

    • DOI

      10.20729/00204227

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2021-01-27  

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