2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research on "Suwa-ryu Shinto" in the History of Buddhist-Shinto Interactions of Medieval Suwa
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19K00110
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
岩澤 知子 麗澤大学, 国際学部, 教授 (60748375)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 諏訪流神道 / 神仏習合 / 密教 / 灌頂儀礼 / 胎生学 / 神信仰 / 胎内五位論 |
Outline of Annual Research Achievements |
【1】 令和5年度は、前年度に開催した「公開シンポジウム」の講演録の作成を進めた。公開シンポジウムの概要は、以下の通り:2019年から3年にわたる研究の成果を一般市民に公開するため、諏訪地方において、二度にわたる公開シンポジウムを開催。(1) 第1回公開シンポジウム(2022年10月8日) 「諏訪大明神、降臨すー中世諏訪における密教と神の出会いー」 (2) 第2回公開シンポジウム (2022年10月23日) 「『諏訪胎生学』ー中世諏訪と縄文をつなぐ『大地・子宮』の思想ー」 。いずれのシンポジウムも、主催は「諏訪胎蔵会」(岩澤が地元の研究者と結成した研究グループ)、共催は「諏訪神仏プロジェクト」と「諏訪信仰研究会・スワニミズム」。【2】 本研究ではこれまで、諏訪流神道のバイブルとも言える『諏訪大明神深秘御本事大事』に示された胎生学的思想の解読に焦点をあて、両部神道が展開した「胎内五位論」との類似性をそこに見出すことに傾注してきた。ところが、この一連の研究の中で、さらなる史料の発見、すなわち、両部神道とは異なる独自の「胎内五位論」が中世諏訪に存在したことを示しうる新たな古文書の発見に至り(諏訪の密教寺院・佛法紹隆寺の末寺である無量寺が所蔵)、2023年夏より、その史料分析を開始した。この「無量寺文書(室町期)」の解読をもとに、日本の中央政治体制から遠く離れた諏訪という地方において、どのような「胎生学的思想」が独自に展開していたのかを、今後さらに明らかにしていく。
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Research Products
(4 results)