2021 Fiscal Year Research-status Report
Wyndham Lewis's Thoughts on Media: On the Interface Between Art and Ideology
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19K00137
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Research Institution | Atomi University |
Principal Investigator |
要 真理子 跡見学園女子大学, 文学部, 教授 (40420426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 茂 京都精華大学, 国際文化学部, 教授 (80368042)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ウィンダム・ルイス / モダニズム / タイポグラフィ / メディア論 / ナショナリズム / 地政学 / 様式論 / グローバリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度から研究計画を実行していたが、2020年度は開始直前にCOVID-19感染症拡大のため、国内外の移動に支障をきたし、資料収集、研究協力者とのミーティング等の実施、計画していたルイス関連の研究会の立ち上げと展覧会の開催が困難となった。そのため2020年度分の研究費を2021年度に繰り越したものの、引き続きCOVID-19感染症拡大の状況下にあったため、以下のような進捗状況となった―― 1)2021年4月より、イングランドでウィンダム・ルイス記念財団が主催しているルイス読書会(英語、遠隔での実施)に初回から毎月、研究分担者ならびに海外研究協力者のポール・エドワーズとともに参加した。 2)国内研究協力者の田中正之(国立西洋美術館館長)との研究報告会を3ヶ月に1度のペースで開催しており、2022年3月には岐阜大学の山本政幸(教育学部・教授)を交えて公開研究報告会を開催した。 3)2021年度は、ウィンダム・ルイス、ならびに彼が主催したヴォーティズムの日本における受容に研究の主軸を据えたことから、この受容の先駆者とされる久米民十郎、ならびに彼の養祖母である跡見花蹊との関わりについて調査・研究を行なった。その成果は2021年度『コミュニケーション文化』(跡見学園女子大学コミュニケーション文化学科紀要)に、研究代表者と研究分担者の連盟による投稿論文として発表された(2022年3月)。 4)2021年8月に遠隔で実施された国際デザイン史会議(アジア大会)にて研究代表者が「Wyndham Lewis’s Universalism」と題する研究発表を行ない、2022年度3月に公開された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度以来、新型コロナウイルス、およびその変異株の感染症拡大の対策として発令された2度の緊急事態宣言、蔓延防止対策やそれを受けた研究諸機関の対応(具体的には、国内外の移動の規制・禁止、とくに他の研究機関の使用制限)のために、実地調査の範囲が大幅に狭められたことが挙げられる。さらに、対面での交流に制限が課せられたことにより、研究や教育の場での新しいシステムへの順応に想定以上の時間を要することとなり、これらと並行して当該課題を進行することが難しかった。以上により、現地調査や国際会議開催および参加を主な活動として想定していた本課題の大幅な計画の修正が必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
1)ウィンダム・ルイス記念財団が主催しているルイス読書会に引き続き上記の3名で参加する予定。この読書会で扱われる資料の購入費は適宜必要となると予想される。 2)2022年3月の公開研究報告会の参加者と2022年度以降も連携しつつ、COVID-19感染症の収束をもって、中規模の公開研究会を立ち上げる予定であり、そのための謝金・交通費ならびに会場費、さらに人件費が発生する予定である。 3)久米民十郎研究については、遺族へのインタビューなど、新しい情報が得られる機会があれば、継続する予定であり、その際に交通費・謝金が必要となろう。 4)ウィンダム・ルイスの作品展ならびに国際シンポジウムの開催については、COVID-19感染症の状況を鑑みつつ、引き続き実施の可能性を探る。仮に後者の国際シンポジウムを開催する場合は、先の海外研究協力者のほかに1名の海外研究者を招聘する予定であり、国内からのゲストを含めて、交通費・謝金・人件費・会場費などが予想される。 以上、いくつかの計画はCOVID-19感染症の収束が前提となるが、仮に状況が好転しなかった場合は、遠隔による実施も検討する。その場合の予算使途は、現地で複写するはずであった古書を入手するための購入費や国際シンポジウムをオンラインで開催するための設備経費となる。
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Causes of Carryover |
当該助成金を繰り越した理由には、2019年度から研究計画を実行していたが、2020年度以降、COVID-19感染症拡大のため、国内外の移動に支障をきたし、資料収集や研究協力者とのミーティング等の実施、さらに計画していたルイス関連の研究会の立ち上げと展覧会の開催が困難となったという状況がある。 2022年度の現在、行動制限が緩和されつつあるなかで、可能であれば夏期に当初予定していた海外調査を実施したく、旅費としての使用を計画しているが、海外調査が困難なときは現地から画像や資料を取り寄せるなど代わりの方策を考えている。また、公開研究会や海外の研究者を招聘した国際シンポジウムの準備などに充てる。研究会や国際シンポジウムはその開催形態によって使用額が大きく異るため、計画に変更が生じたときに対応できるよう、オンライン環境整備と海外事務手続きなども含め、使途について検討している。
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Research Products
(8 results)