2020 Fiscal Year Research-status Report
今川了俊著『難太平記』を中心とした南北朝・室町時代初期における武家文化の研究
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19K00306
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
和田 琢磨 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (40366993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 寛 梅光学院大学, 文学部, 准教授 (50625853)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 難太平記 / 今川了俊 / 太平記 / 南北朝時代 / 室町時代 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は新型コロナウィルスのために研究活動を十分に行うことができなかった。特に原本調査は所蔵先が閉鎖したこと等の理由で、全くできなかった。そのために、手許にある資料を用いての基本的な注釈作業と意見交換のためのオンライン研究会議を中心にせざるを得なかった。 『難太平記』本文に基本的な語釈を付け、全体像を把握する作業は大方できた。本来であれば、閲覧可能な伝本をすべて確認し、本文異同を明らかにしてから行う予定であったが、昨年度後半以来続く新型コロナウィルスの影響で、この作業を終えられていない。したがって、伝本を確認できるようになった後に補訂する方法に切り替えた。 また、本来であれば直接集まって研究会を行う予定であったが、それも難しい状況であったので、メールとZOOM会議で研究活動を進めた。メールでは、各自が行った研究資料を送りあい、資料と情報の共有を図った。その上で、ZOOMで互いの資料の説明と意見交換を行い、現時点での問題点と今後も続くであろうコロナ禍における研究の進め方を話し合った。メールのやりとりは複数回行い、ZOOMでのオンライン研究会議は、11月・1月・3月におこなった。 注釈の範囲は、校正本(版本)の上巻該当部分と追加部分を研究代表者が、下巻相当部分を研究分担者が中心になって進め、次年度に双方の成果を検証し合い、総合的な注釈の原稿案を完成させることを目指すこととなった。 なお、今年度までの研究成果の一部は論文として研究誌に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルスの影響で、調査及び研究活動が行えなかった。具体的には、資料の所蔵機関が閲覧を中止したために調査に行けなかったほか、図書館等の使用にも制限が加えられたことで十分に仕事をすることができなかった。また、授業がオンライン授業になったために、その準備で研究時間をとることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究活動が制限されそうであるので、これまで揃えてきた資料を基にして『難太平記』注釈の原案を作ることを目標としたい。オンラインでの研究活動報告をすることで、意思の疎通を図っていくつもりである。今年は最終年度であるので、ひとまず『難太平記』全体に基本的な注釈を付ける予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により出張ができなかった上に、図書館での資料調査も十分にできなかったために、予定に反し、出張費を使うことができず、図書購入費が嵩んでしまったため。
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Research Products
(3 results)