2019 Fiscal Year Research-status Report
本山佛光寺所蔵板木のデジタルアーカイブ構築による板木研究手法の普及
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19K00308
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
金子 貴昭 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 准教授 (20411150)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 板木 / 版木 / 木版 / 近世出版 / デジタルアーカイブ / 佛光寺 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 研究代表者が中心となって、2019 International Symposium on International Association for Printing Woodblocks (IAPW) "Preservation and Promotion of Printing Woodblocks in the Digital Era" を開催した(11月)。中国・韓国・ベトナム・ドイツ・日本の木版研究者41名を招へいし、各国の木版研究者との研究交流を進めた他、デジタル時代にいかに板木研究を進めるべきかに関する口頭発表を行った。さらに、Study Tourを設定し、日本国内の板木保存状況の実態を各国の研究者と共有した。 2. 10次原州世界古版画文化祭国際学術大会に参加し、韓国・古版画博物館が所蔵する板木の概要および研究代表者が果たしている役割について口頭発表を行った(9月)。 3.当該年度は新規デジタルアーカイブ構築を進捗させることができなかったが、板木ポータルデータベースに登録済のメタデータ充実が進捗した。同時に、板木に対応する板本の収集を進め、ARC古典籍ポータルデータベースから閲覧可能とした(通年)。 4. 企画展「ちょっとマニアな版画展」を共同開催し、「版画の板木」コーナーを担当した。合わせて、浮世絵の板木とその複製に関する研究の方向性、近代・現代版画の板木を研究する際の問題点について口頭発表を行った (6月)。 5. 上記の活動を踏まえて、口頭発表3件、事典解説1件の成果発表をおこなった。口頭発表の内容は上記に記したとおりであり、事典解説は、出版文化・書物学研究に関わる文化情報学的手法の現状に関する内容である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は、構築済のデジタルアーカイブに対するメタデータ入力や関連資料の収集が進捗したが、夏期・春期ともに、当初予定していた板木デジタル化を進捗させることができなかったため、やや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の遅れを取り戻し、2021年度までに研究課題が完了するよう、2020年度は、予定していた板木デジタル化工程の日数を2倍程度に増やす予定である。
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Causes of Carryover |
夏期・春期ともに、新規デジタルアーカイブ構築を実施することができなかったため、一部を資料購入費に振り向けて構築済板木デジタルアーカイブのメタデータ充実を図ったが、23,894円の次年度使用額が生じた。次年度使用額は、2020年度請求額と合わせて2020年度の板木デジタルアーカイブ構築にあて、進捗の遅れを挽回する計画である。
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Research Products
(9 results)