2019 Fiscal Year Research-status Report
Cultural studies on the mode and acceptance of translated discourse in East Asia
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19K00328
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
吉田 司雄 工学院大学, 教育推進機構(公私立大学の部局等), 教授 (50296779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 徹也 大谷大学, 文学部, 助教 (80823228)
高橋 修 共立女子短期大学, その他部局等, 教授 (90179474)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 近代文学 / 翻訳 / 翻案 / 重訳 / 探偵小説 / 冒険小説 / 研究者交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、従来十分な検討を経てこなかった「翻案」や「重訳」にも注目しながら、言語の境界を超えて揺動する翻訳ディスクールの分析を、これも従来注目されることの少なかった大衆文学、特に探偵小説や冒険小説を中心とする形で、海外の研究者とも共同しながら推進しようとするものである。 2019年度はまず韓国の研究者3名(兪在眞、鄭恵英、朴珍英)と共に7月1日~4日オーストラリア・メルボルン市のモナッシュ大学で開催されたオーストラリア日本学会(JSAA 2019 Biennial Conference: Celebrating Diverse Perspectives)に参加、パネル発表「Post-colonialism and translation」を行い、高橋修と服部徹也が発表した。10月25日~27日に台湾・台北市の政治大学・東呉大学で開催された東アジアと同時代日本語文学フォーラム2019台北大会では兪在眞、鄭恵英と共に吉田司雄がパネル発表「東アジアにおける探偵小説の翻訳と創作の流通圏」を行った。さらに2020年1月10日、11日に韓国・ソウル市の高麗大學校で開催された国際ワークショップ「日韓大衆文学の翻訳と変容」に参加、吉田司雄が基調講演「翻訳文学研究の課題と可能性」を行い、高橋修と服部徹也が『ロビンソン・クルーソー』の翻訳と重訳をめぐるラウンドテーブルでのパネリストを務めた。これは日本学術振興会と韓国研究財団(NRF)による二国間交流事業共同研究「日韓における翻訳大衆文学のディスクール研究」(2018~2019年度)の成果をとりまとめたものでもある。 他に、朴珍英の新著『探偵の誕生―韓国近代推理小説の起源と歴史』の理解を深めるべく、翻訳家の藤原友代氏を招き講演会「韓国近代推理小説への招待」を10月11日に共立女子大学で開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書に記した海外学会での発表や国際ワークショップ参加は予定通り実行できた。しかし、成果の論文化は今後の課題となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の国際ワークショップ、とりわけ『ロビンソン・クルーソー』の翻訳と重訳をめぐるラウンドテーブルの内容を核にする形で、「翻訳」をめぐる論集刊行の企画を推進する。韓国や台湾など、複数の国の研究者を招く国際ワークショップの実現を目指す。海外学会での研究発表も引き続き精力的に行う。
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Causes of Carryover |
研究費に必要なノートパソコンの購入費やオーストラリアと韓国への出張旅費を別の研究費から支出できたので、次年度に別の海外出張や研究成果公表等を改めて計画し直すことになったため。
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Research Products
(9 results)