2023 Fiscal Year Research-status Report
Cultural studies on the mode and acceptance of translated discourse in East Asia
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19K00328
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
吉田 司雄 工学院大学, 教育推進機構(公私立大学の部局等), 教授 (50296779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 徹也 東洋大学, 文学部, 准教授 (80823228)
高橋 修 共立女子短期大学, その他部局等, 教授 (90179474)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 近代文学 / 翻訳 / 探偵小説 / 冒険小説 / 研究者交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、従来十分な検討を経てこなかった「翻案」や「重訳」にも注目しながら、言語の境界を超えて揺動する翻訳ディスクールの分析を、これも従来注目されることの少なかった大衆文学、特に探偵小説や冒険小説を中心とする形で進めてきたが、これからの展望を得るため若い研究者を招いて以下の報告をお願いし、議論の場を設けた。須山智裕「林房雄のアジア巡行と占領期中間小説―戦争による移動と物語」、赤井紀美「日本近代演劇における台湾表象―久保栄「新説国姓爺合戦」を中心に」、松岡昌和「歌謡映画に見られる戦争と帝国の記憶―『シンガポールの夜は更けて』を題材に」、久村亮介「漢語とギリシャ語とポエジイ―西脇順三郎の詩的言語論」、柿原和宏「江戸川乱歩の翻訳 ―『白髪鬼』を中心に」、加藤優「安部公房における翻訳SFの受容と展開―「人間そっくり」を中心に」 研究代表者は他に、小平麻衣子・井原あや・尾崎名津子・徳永夏子編『サンリオ出版大全』にサンリオSF文庫におけるフェミニズムSFの翻訳と同時代状況とを検討した論考を寄稿し、梅津紀雄が発掘・翻訳した「ソ連作家同盟外国委員会での日本文学界についての徳永直・岩上順一との懇談記録」の解説を『工学院大学研究論叢』第61巻2号に発表した。前者が1970~80年代の翻訳SFの意義を論じたものであるのに対し、後者は1954年12月第2回全ソ作家大会直後の会合の記録で、日本文学のどれをロシア語に翻訳するかが話題となっている。「世界文学」という包括的な概念に還元され得ない、異なる社会体制を横断する「翻訳」の意味を改めて問うていく必要があると考えている。研究分担者も越境に着目した二葉亭四迷や夏目漱石に関する研究を推進した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染流行に伴い、海外への渡航が許されず、本年度の国際学会での発表や海外研究者との交流を予定通りに実施できなかった。研究期間を1年延長したが、十分な進展をはかれず、研究成果のとりまとめのためにさらにもう1年延長することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍明けのこの2年、毎年ワークショップを開催することで、本研究の課題を多くの研究者と共有することができた。最終年度には、これまでの研鑽を生かし、研究成果のとりまとめを行う。
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Causes of Carryover |
本年度中に行えなかった研究成果のとりまとめのため、研究分担者が使用予定の調査旅費と資料購入費とを繰り越した。
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Research Products
(6 results)