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2019 Fiscal Year Research-status Report

〈文芸としての覚書〉に関する資料学的基礎研究:文禄・慶長の役関連文献を中心に

Research Project

Project/Area Number 19K00330
Research InstitutionRikkyo University

Principal Investigator

鈴木 彰  立教大学, 文学部, 教授 (40287941)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords日本中世文学 / 〈文芸としての覚書〉 / 文禄・慶長の役 / 中世近世移行期 / 文芸環境
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、16世紀後半の戦場を体験した武士とその子孫たちが、主に17世紀以降に記した〈覚書〉と呼ばれる資料群を主たる分析対象とし、その伝存状況の把握と文芸資料としての意義の解明と定位を目的としている。本年度は、関連資料の調査と研究打ち合わせを目的として、国内では市立米沢図書館、鹿児島県歴史資料センター黎明館、鹿児島県立図書館など、海外では韓国の国立中央博物館、ソウル大学奎章閣韓国学研究院、南原市郷土博物館などに赴いた。調査先の各機関においては、関連資料の原本などを閲覧し、書誌情報を記録し、許可されたものについてはデジタルカメラで撮影した。また、本研究課題に関する図書・論文・資料などを購入またはコピーして収集した。
資料調査と並行して取り組んだ、〈文芸としての覚書〉資料の所在確認についても、原資料の閲覧による確認とともに、諸機関の目録や関係論文などを通して、着実に情報を蓄積しつつある。次年度以降に継続し、いっそうの充実をはかる。
資料翻刻については、本年度閲覧することができた島津氏配下の武士の自筆資料の紹介をめざして翻刻を進め、基礎データがほぼ完成した。次年度以降、状況をみながら公刊をめざすことにする。その他にも、数点の資料を選び、順次作業を進めている。
本年度の成果の一部は、2020年3月15日に、鹿児島県歴史資料センター黎明館で開催予定だった研究集会で報告する予定で準備を進めていたが、新型コロナ・ウィルス感染症への対応のため、同会は中止せざるをえなくなった。その内容は、論文などの形で今後報告したい。その他、今期のうちに、本研究の成果を盛り込んだ雑誌論文を2点、公表することができた。また、鹿児島県の曽於市立図書館では、同館及び地域の有志団体と協力する形で、当該地域に伝わる資料に関わる講演会を開催し、本研究の成果の一部を報告することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究計画に基づいて、調査対象機関と綿密に調整を重ねながら、調査を進めてきた。調査の過程ではいくつかの新資料を見いだすこともでき、研究の視野がひろがった。なお、研究代表者が2019年9月末より2020年3月まで、在外研究制度等によってソウルに滞在することになったため(途中、一時帰国を含む)、申請時の計画を一部変更し、福岡県立図書館での調査を次年度以降に先送りし、かわりに、次年度以降に本格化させるつもりだった韓国国内での調査を組み込む形で調整をはかった。その過程では、新たな資料的知見も得ることができ、このことが負に作用することにはつながらなかったと考えている。
予算面では、上記のソウル滞在ともかかわって、とくに旅費の面での支出をかなり抑えることができたため、次年度以降の活動での有効な活用を心掛けるつもりである。
以上により、おおむね順調に進展していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

当初の計画通り、次年度も各機関に赴いて資料収集を進めるとともに、すでに収集した資料ともあわせて、分析を深化させるつもりである。なお、新型コロナ・ウィルス感染症への対応に伴い、旅費の執行をはじめとして、2020年度の調査計画を見とおすことが困難な状況にあるが、当面は当初の計画どおりに調査を行うことを予定しておき、社会状況に照らして、適宜スケジュールを調整しながら対応していくこととしたい。
資料の所在確認および翻刻については、これまでどおりに進めていくつもりである。また、研究集会の開催による成果報告・社会還元についても、本年度と同様の方法で取り組む。
分析をとおして解明された事柄については、論文・学会発表などの形で、随時公表していく。

Causes of Carryover

研究代表者が、在外研究制度等を利用することができることになったため、2019年9月~2020年3月まで、国外(韓国・ソウル市)に滞在することとなり(ただし、一時帰国を含む)、その期間には国内での資料調査を行うことができなくなった。また、その期間に行う予定だった韓国での調査に伴う出張旅費を使用する必要がなくなった。また、これらに伴い、国内外での調査後の資料整理や、資料翻訳、助言などのアルバイトや謝金の費用と、マイクロフィルム等からの資料複写代が大幅におさえられた。くわえて、三月に予定していた研究集会が新型コロナ・ウィルス感染症への対応のために中止となり、その際の講師謝金もかからなくなった。これらの理由により、次年度使用額が生じる結果となった。
次年度使用額については、社会状況に照らして、調査をできるだけ効果的に行うとともに、社会状況からの影響が比較的小さい資料複写代や物品費、必要不可欠な基礎作業・翻訳などに伴うアルバイト代・謝金などに用いることとしたい。

  • Research Products

    (2 results)

All 2019

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] 大島忠泰「古今戦」と『平家物語』――中世近世移行期の薩摩における武家の文事――2019

    • Author(s)
      鈴木 彰
    • Journal Title

      日本文学研究ジャーナル

      Volume: 11 Pages: 104-115

  • [Journal Article] 薩摩・島津氏の文芸・文化環境と『太平記』――『山田聖栄自記』にみる――2019

    • Author(s)
      鈴木 彰
    • Journal Title

      アナホリッシュ国文学

      Volume: 8 Pages: 171-182

URL: 

Published: 2021-01-27  

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