2021 Fiscal Year Research-status Report
雑誌『小天地』(金尾文淵堂発行)の基礎的研究―明治期大阪文芸メディアの戦略分析―
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19K00344
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西山 康一 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (40448212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 達也 横浜市立大学, 国際教養学部(教養学系), 教授 (60275998)
竹本 寛秋 鹿児島県立短期大学, その他部局等【文学科】, 准教授 (20552144)
掛野 剛史 埼玉学園大学, 人間学部, 教授 (00453465)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小天地 / 薄田泣菫 / メディア研究 / 日本近代文学 / 関西 / 明治 / 地方文壇と中央文壇 / 雑誌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(2021年度)は最終年度ということで、本研究1年目から収集してきた情報を利用し、本格的な研究――研究対象である『小天地』の内容分析を行うことになった(その後、本年度途中で研究期間延長を申請して受諾され、本年度が最終年度ではなくなったが)。 主な具体的活動としては、日本近代文学会関西支部2021年度秋季大会(11月14日、オンライン)で、本研究課題メンバーによるパネル発表を行なったことがあげられる(演題「雑誌『小天地』の基礎的研究――明治期地方文芸メディアの一ケースとして――」、パネラー:掛野剛史・竹本寛秋・西山康一、司会:庄司達也、下記「研究発表」の「学会発表」参照)。 また、本年度はコロナ禍の影響で移動や対面が制限されたため、前年度に引き続きフィールド・ワークや資料調査、対面式での研究報告会や打ち合わせをすることができなかったが、その分6月27日・9月10日の2回、オンライン会議サービス「Zoom Meeting」を使ってメンバー全体が集まる機会を設け、メンバー各自の研究報告を行ったり、上記の学会の準備・打ち合わせをしたり、本研究の今後の方向性やスケジュールについて検討したりした(3月にも行う予定だったが、メンバー間の予定が合わず、また研究期間を延長したこともあり、次年度に行うことにした)。その他にもメンバー間での情報共有を密にし、たとえば本研究課題に関係のありそうな学会が開催された時には、メンバー全体で参加したりもした。 これらの研究活動の結果、具体的な研究成果としては上記の学会発表以外に、さらに琥珀書房から『『小天地』復刻版』(第1回配本)を刊行することが出来たことが、大きな成果として挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度(2021年度)は、本研究課題の活動最終年度ということで、本研究の成果を公開する年度として、当初より位置づけられていた(結局、本年度途中で研究期間延長を申請し、受諾されたわけだが)。 具体的には、本研究課題の研究成果の公開手段として、メンバーによる学会でのパネル発表を昨年度から検討していたが、その予定通り、日本近代文学会関西支部2021年度秋季大会で、本研究課題メンバーによるパネル発表を実現することができた(詳細は上記「研究実績の概要」、下記「研究発表」の「学会発表」参照)。特に、本研究課題と縁の深い関西の学会の場で、本研究課題の研究成果を発表できた意義は大きく、その意味では本年度の活動目標の大半は実現できたといえよう。 しかし、一方でコロナ禍の中で関連資料を所蔵する諸機関の休館等により、思うように調査が進まなかったこともあり、また実質的には出版の関係上『『小天地』復刻版』の刊行を2回に分けることになったことから、メンバーの研究成果の書籍による公開が次年度に繰り越されることになった(これらは研究が始まった当初から、想定内のことではあったのだが)。 以上のことから、進捗状況としては本研究課題を計画した当初からすればほんの少しだけ遅れが出た状態だが、それも想定内の範囲であり、出版計画もおおむね順調に進んでおり、問題はないと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
上記したように、本年度(2021年度)は本研究課題の活動最終年度ということで、本研究の研究成果を公開する年度として、当初より位置づけられていたわけだが、その具体的な目標の一つであった、『『小天地』復刻版』付録解説における我々の研究成果の書籍化公開が、次年度に繰り越しとなった。そのため本研究課題の研究期間の延長を申請し、承諾された。『『小天地』復刻版』の第2回配本を完遂させつつ、その中で研究成果の書籍化公開を目指したいと考えている。
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Causes of Carryover |
本年度(2021年度)はコロナ禍の影響によって移動の制限があり、思うようにフィールド・ワーク、あるいは各地にある図書館・資料館に資料調査に行くことが出来なかった。それにより旅費が消化されなかったことが、理由の一つとしてあげられる。それとともに、出版の関係上『『小天地』復刻版』を2回に分けて刊行することになり、その付録解説におけるメンバーの研究成果の報告(書籍化による公開)が次年度に繰り越されることになった。そこで、本来は本年度が最終年度だったが、研究期間の延長を申請し、承諾されることになった。それをふまえ、次年度に使える資金があった方が良いと考え、あえて予算を次年度に繰り越した面もある。 使用計画としては、上記したように『『小天地』復刻版』の第2回配本での付録解説作成のための調査・研究公開費用として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)