『安元御賀記』を中心とした院政期御賀の総合的研究

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K00359
• Research Institution: Bukkyo University
• Principal Investigator: 浜畑 圭吾 佛教大学, 文学部, 准教授 (10646540)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 北山 円正 神戸女子大学, 文学部, 教授 (30268528) ; 鈴木 徳男 相愛大学, 人文学部, 教授 (80154566) [Withdrawn]
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 安元御賀 / 雅楽 / 賀宴 / 平家文化

Outline of Annual Research Achievements

定期的に報告会を開催し、代表者、分担者、協力者各自の担当箇所の報告を行った。その際、全員で検討を加え、修正や加筆などを行い、本文の注釈作業を進めることが出来た。また代表者の担当である賀宴に参加した人物の注釈でも、その官暦、後白河院や平家との関係、音楽を中心とした事績の整理などを進めた。従来の辞書的な注ではなく、音楽の事績をまとめたことは本文の読み解きはもちろん、院政期賀宴研究にも資するところは大きい。また、その過程で問題となった箇所をさらに深めるために個別の発表も行った。その結果、院政期御賀を取り巻く故実の実態、人間関係などが鮮明になった。ただし、新型コロナウィルス完成拡大防止のため、予定よりも開催数を減らさざるを得ず、進度としてはやや遅れ気味である。
また、予定よりは大幅に縮小したものの、伝本調査も実施し書写の状況、伝本関係の構築に関して一定の成果を得ることが出来た。その結果、これまで触れられることのなかった『安元御賀記』の諸本について、その輪郭を捉えることが出来た。ただし、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、遠方の場合は調査を延期したところもあり、2022年度に予定している機関のすべてを調査するつもりである。その結果をあわせて検討し、成果として公表する予定である。
また、雅楽に関する講演と実践の会を開催予定であったがこれも延期となったため、2022年度に実施する予定である。作中の曲目を実際に演奏することで、実態として理解し、また広く成果を公表する場ともしたい。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウィルス感染拡大防止のために、定期的に開催予定であった報告会を開くことが出来ず、検討、修正などの作業ができなかったため。また、調査や講演会も同様に延期を余儀なくされたため。

Strategy for Future Research Activity

報告会は開催が可能な時期に集中して行うこことし、進度を上げる。本年度中に予定の本文注釈を仕上げ、人物注については完了する。調査は、分担して行うことも考えている。講演会についてはすでに進行中であり、感染防止を徹底した上で開催の予定である。

Causes of Carryover

新型コロナウィルス感染拡大防止のため、報告会の回数が減少したこと、伝本調査、講演会を次年度に延期したためである。