2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K00373
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
上原 徳子 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (50452917)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中国古典小説 / 翻案 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初予定していた台湾・イギリスでの調査は海外渡航が難しい状況があったためかなわなかった。さらに、府県をまたいでの移動が困難な状況が長く続いたこともあり、勤務先の図書館以外での調査を行うことができなかった。そこで、今年度は主に資料を購入することとオンラインによる資料収集にあてた。 本年の研究内容は以下の通りである。本研究の第一段階である19世紀末から20世紀初頭の古典小説の英訳の情況についての中国及び台湾の先行研究を整理するために必要な文献(主に書籍)の収集をした。また、日本での研究情況についても、先行研究の再検討を行うため主にオンラインでの情報収集を行った。 資料収集と同時にその検討を行っていく過程で、近年は、中国文学に限らず様々な分野でアダプテーション(翻案)という考え方を通した文学作品の分析や検討をする研究成果が多く発表されていることがわかり、本研究が対象とする時代の諸作品の翻訳もそれらの成果を踏まえることでより有効にとらえなおすことができるという発見があった。そのため、さらに、アダプテーションについて英語・中国語・日本語で書かれた先行研究にあたる作業を行った。方向としては、英語で書かれた諸研究にあたった。しかし、収集した英語文献から中国古典小説の英訳及びその出版や受容情況、さらに在外華人の活動記録、英語による初期の中国文学史の編纂情況についての資料調査までは調査範囲を広げられなかった。以上小さな発見はあったものの、結局のところ、今年度はそれらを論文等の形で公にすることができなかった。調査の遅れもあるが、本人に体調不良があったことが最も大きな理由である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍と申請者本人の体調不良により、作業は遅れている。資料の収集として英語・中国語・日本語の関連の書籍を購入し収集すること自体が主な成果となった。資料としては、本来ならば海外の図書館での収集を想定していたがそれはできておらず、もっぱらオンラインで閲覧できるものだけを対象とせざるを得なかった。さらに、今年度はそれらを分析して論文の形で発表することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を延長し、これまで収集した資料を基に、分析を行い研究結果を発表する。具体的には、19世紀末から20世紀初頭の古典小説の英訳及びその出版や受容情況についてアメリカ及びイギリスの資料を調査することで、在外華人の活動記録、英語による初期の中国文学史の編纂情況、及び主に林語堂の英訳古典小説の出版をめぐる資料と当時の新聞の書評の資料の有無を明らかにする。さらに、翻案(アダプテーション)の現在の研究状況に照らして、対象としている林語堂をどのように捉えられるのかについて検討を進める。
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Causes of Carryover |
従来予定していた海外での調査ができないこと、国内でも府県をまたいだ移動ができなかったことから、遠隔地での文献調査ができていないこと、さらに本人の体調不良により作業の進捗が遅れたことが理由である。 2022年度の使用計画は以下の通りである。 引き続き、現在当研究においてまだ不十分な19世紀末から20世紀初頭の中国古典小説の英訳及びその出版や受容情況についてアメリカ及びイギリスの資料、及び在外華人の活動記録、英語による初期の中国文学史の編纂情況の調査、及び主に林語堂の英訳古典小説の出版をめぐる資料と当時の新聞の書評の資料の調査をオンラインで行う。社会状況が許せば、日本国内の研究機関所蔵の資料の現地での調査もする。最終的には、調査の結果及び考察について公の場で発表し、広くその成果を共有し、意見を求める。
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