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2021 Fiscal Year Annual Research Report

ソラスタルジア研究を応用した環境表象文化史の構築:アメリカ映画・文学を中心に

Research Project

Project/Area Number 19K00402
Research InstitutionMeiji University

Principal Investigator

波戸岡 景太  明治大学, 理工学部, 専任教授 (90459991)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywordsソラスタルジア / ノスタルジア / エコ・ネクロフィリア / 環境ドキュメンタリー / ポストモダン文学
Outline of Annual Research Achievements

グレン・A・アルブレヒトの提唱するソラスタルジアという概念を援用しながら、20世紀、ならびに21世紀の環境ドキュメンタリーの分析を行った。さらに、各映像作品から抽出された環境意識のあり方を、トマス・ピンチョンの文学作品における環境表象・動物表象に重ね合わせ、独自の環境文学論を展開した。
その成果は、ピンチョンの第一長編『V.』から最新作『ブリーディング・エッジ』にいたる仕事を、リオタールのポストモダン寓話との比較によって論じた『ピンチョンの動物挿話:エコクリティシズムのための寓話(Pynchon's Animal Tales: Fables for Ecocriticism)』(仮題)という著作に結実する予定である。
同書で展開した環境表象文化論の特筆すべき点は、ジョナサン・サフラン・フォアのノンフィクション作品『イーティング・アニマル』に見られる「ヴィーガニズム」と、ピンチョンの後期作品にみられる「食肉論」的な描写を比較したことであり、現代アメリカを「ミート」と「代替肉」の対立構造のなかに浮き彫りにしてみせるピンチョンの文学的想像力を抽出し得た本研究は、環境表象文化史の新たな側面に光を当てることに成功したと言えよう。
1960年代から2010年代まで、文学の第一線で活躍してきたピンチョンは、その都市表象において、それぞれの時代の先端を行くシステム(郵便、流通、電信、ネットなど)を描き出すことを得意としており、また、その表象の影には必ず野生の姿があることも特徴的である。本研究では、そうしたピンチョン文学の特徴を詳細に分析しながら、各作品の同時代に公開された環境ドキュメンタリーの批評的読解を実践することで、「映画発明以後のメディアが醸成してきた特異な環境論的視座の本質」の解明という目的を果たすことに成功した。

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Published: 2022-12-28  

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