2019 Fiscal Year Research-status Report
A study of honorific change in Gifu Dialect, Tokoro Hokkaido
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19K00639
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
朝日 祥之 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語変異研究領域, 准教授 (50392543)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 敬語法 / サル敬語 / 常呂町 / 北海道方言 / 方言接触 / 移住と言語変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は北海道北見市常呂町岐阜方言の尊敬語「サル」に見られる特徴を、文献調査,並びに,面接調査でえたデータをもとに,当地区居住者の郷里である岐阜県揖斐郡大野町方言と比較することで明らかにするものである。 具体的には,常呂町岐阜方言の尊敬語として使用が確認されている「サル敬語」(例「オンサル(いらっしゃる)」「カキンサル(カカレル)」等)に主に着目し、その意味機能を常呂町岐阜方言、大野町方言に関する文献調査、並びに各地域における面接調査から明らかにする。 2019年度においては,文献調査,並びに予備調査を実施することを計画した。文献調査については,2019年12月並びに2020年1月に北見市立中央図書館で実施した。それにより,常呂町岐阜の言語生活を知ることができ,また現地で話者による談話資料の収集も行うことができた。この他に,予備調査の実施を北海道北見市で2020年1月に常呂町で行うことができた。「サル」敬語の語法についての聞き取りを行うことができ,本調査の設計に向けた準備に着手できた。 また,岐阜県揖斐郡大野町に関する調査については,文献調査を国立国会図書館,国立国語研究所図書室で行い,関連する文献を収集することができた。しかしながら,大野町における現地調査を実施することが,2019年度内に行うことができなかった。研究成果については,研究発表を1件実施するとともに,2020年2月に北海道方言研究会会報に研究論文2件を掲載させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね,計画通りに進んでいると判断している。 2019年度においては,当初予定していた文献調査を実施し,また常呂町での予備調査を実施することができた。また,当該テーマに関する研究成果も1件出すことができた。岐阜県揖斐郡大野町における面接調査に着手することができなかったが,当該地域の敬語法に関する情報収集を文献調査を通じて行うことはできた。その意味でも概ね,計画通りに進んでいると進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は新型コロナ感染症の関係で現地調査への影響が懸念されるが,例えば,調査者への電話(ビデオ通話など)を通したデータ収集など,現時点で考えらえる手法を確立した上で,現地調査を行う工夫を試みたい。もちろん現地調査が実施できるのであれば,実施する。大野町の調査についても同様である。話者の紹介など,まだこれから解決しないといけない点も残されているので,現地の関係者との関係を構築しつつ研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
勤務先での用務などが立て込んでしまった関係で,当初予定していた岐阜県大野町での面接調査が実施できなくなったこと,北海道北見市常呂町での調査についても十分な日程が組めなかったことが使用額に差異が生じた理由である。今年度について,これらの調査を新型コロナ感染症の状況を鑑みながら実施していく予定である。
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Research Products
(3 results)