2022 Fiscal Year Research-status Report
多文化共生に向けた地域日本語教育の再構築ー官学民協働プロジェクトの省察を通して
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19K00745
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
福村 真紀子 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 助教 (50835866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三代 純平 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (80449347)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 多文化共生 / 地域日本語教育 / 実践研究 / 官学民協働プロジェクト / 公共日本語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は官学民による共同プロジェクトを軸とした、多文化共生社会の実現を目指す実践研究である。本実践は、東京都日野市(官)・武蔵野美術大学(学)・研究代表者が運営する市民サークル「多文化ひろば あいあい」(民)が地域のさまざまな国にルーツを持つ親子を対象とした多文化交流イベントを企画・開催するプロジェクトが主軸となっている。本プロジェクト始動の際の東京都日野市の担い手は日野市子ども家庭支援センターのみだったが、令和3年度から日野市中央公民館が加わるとともに民間団体の担い手として日野国際友好クラブも加わった。また、令和4年度から日野市平和と人権課も協力してくれることになった。官学民協働プロジェクトの輪が拡大したことは研究対象が広がったことでもあり、研究実績としても価値が高い。多文化交流イベントについては、令和2年度は新型コロナウィルス感染拡大のため開催を見合わせ、令和3年度はオンラインで開催した。令和4年度は3年ぶりに対面開催が実現できた。この開催までに、官学民の担い手と武蔵野美術大学の学生がオンラインおよび対面で協議を繰り返し、企画を練り直した。 本研究の一つ目の目的である「官学民協働プロジェクトは、官学民各々およびイベント参加者にとってどのような意義があるのかを明らかにし、今後の課題を見出す」は、令和3年度に『茨城大学全学教育機構論集グローバル教育研究』第5号に研究論文を投稿し、査読を経て掲載されたことで達成された。 令和4年度は、本研究の二つ目の目的である「官学民共同プロジェクトの映像公開の波及効果を明らかにする」を達成する準備として、イベントの準備・本番の様子を動画撮影した。そして、その動画データを外注により編集した。編集後の動画は、倫理的配慮により公開には至らないが、プロジェクトの課題を見出す貴重な材料となった。また、次年度以降アーカイブズ化を実現するための下地となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度に『茨城大学全学教育機構論集グローバル教育研究』第5号に投稿論文が掲載されたことにより、本研究の一つ目の目的である「官学民協働プロジェクトは、官学民各々およびイベント参加者にとってどのような意義があるのかを明らかにし、今後の課題を見出す」が達成されたことは大きな進歩だった。そして、新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、開催見送りやオンライン開催となっていたイベントも、令和4年度に3年ぶりに対面開催ができたことは研究の大きな進展につながった。 さらに、令和4年度には、研究期間を1年延長し、研究の二つ目の目的である「官学民共同プロジェクトの映像公開の波及効果を明らかにする」を達成する準備として、イベントの準備・本番の様子を動画撮影できたことが成果として大きい。しかし、まだ動画をアーカイブズ化するまでには至っておらず、研究期間をさらに1年延長することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
例年通り、東京都日野市において官学民協働による多文化交流イベントを企画、実施する。本プロジェクトのプロセスを関与観察し、参加者に聞き取り調査を行なったり、フィールドノーツを作成したりしてデータを取得する。同時に、アーカイブズ化を目標として動画記録を残す。データ整理、分析、考察を経て、12月2日に韓国で開催される学会での研究成果発表を予定している。本研究の二つ目の目的である「官学民共同プロジェクトの映像公開の波及効果を明らかにする」を達成するための動画のアーカイブズ化は、今後の研究の要となる推進方策である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、令和2年度にイベントが実施できなかったことはデータ取得の遅れにつながった。また、本事業開始時には、海外における研究成果発表を複数回予定していたが、こちらもコロナウィルス感染拡大防止により開催が見送られる学会が多くみられたため、研究成果発表の機会が得られなかった。次年度に研究費の使用が生じたことは、以上の理由による。 研究期間を1年延長した令和5年度は、12月2日に韓国で開催される学会での研究成果発表を予定している。また、本研究の二つ目の目的である「官学民共同プロジェクトの映像公開の波及効果を明らかにする」を達成するために、イベントの企画・準備・実施の様子のアーカイブズ化実現を目指す。令和5年度の研究費の使用計画は以下のとおりである。 ①物品費(イベント実施に係る費用):100,000円②旅費(海外学会発表に係る費用):300,000円③人件費・謝金(アーカイブズ化に係る費用):100,000円④その他(通信費・学会年会費):50,000円
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