2020 Fiscal Year Research-status Report
図画工作科との連携による外国語教育授業における児童の発達に関する研究
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19K00760
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岩坂 泰子 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (80636449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 達弘 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (10240293)
竹内 晋平 奈良教育大学, 美術教育講座, 教授 (10552804)
藤井 康子 大分大学, 教育学部, 准教授 (10608376)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 教科連携 / 社会文化理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は分担者と協働で行なった2018年度の実践の学会発表(2019年9月21日第58回大学美術教育学会岐阜大会)の内容を分担者藤井康子氏、小学校担任教諭、東美奈子氏らと協働執筆し、当学会誌に掲載の運びとなった。タイトル「図画工作科と外国語活動を軸とした教科融合型学習の開発と実践ー6年生のMy Best Memoryを絵に表す活動を通して」『美術教育学研究』第53号(2021年3月刊、pp.209-216)。本論文執筆に際し、同じく分担者吉田達弘氏からは今後の研究の方向性を考えるために重要な示唆的コメントをいただいた。岩坂は現在、ここまでの総括として、分担者である吉田達弘氏の助言を受けながら、分担者藤井氏らとの協働研究実践を社会文化理論の枠組みに位置付け理論的整理をしている。この成果は本研究期間内に論文として発表する予定である。また、分担者竹内晋平氏は本年度、授業研究におけるデータ取得の質向上に向けて、マルチコントロールが可能なビデオカメラを購入した。このカメラは例えば、教室全体、児童A,児童B,教師など、複数の研究対象者の画像を一括して録画することが可能となる。竹内氏はこのカメラを使用することによって何が可能となるか、また、データの質向上の具体について、第43回美術科教育学会愛媛大会(2021年3月26~28日)で「授業研究における撮影デバイス等の活用による造形活動の分析方法」のタイトルで口頭発表した。さらに、岩坂は言語教育とアートの協働的研究として以下の口頭発表を行った。タイトル:「「聲にならない」をアートする-「共に在る」ためのことば学」(フォーラム)、発表者:横田和子(広島修道大学),岡本能里子(東京国際大学),岩坂泰子 (広島大学) 、発表大会:言語文化教育研究学会 第7回年次大会言語文化教育研究学会(2021.3.7 )
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は分担者と協働で行なった2018年度の実践の学会発表(2019年9月21日第58回大学美術教育学会岐阜大会)の内容を分担者藤井康子氏らと協働執筆し、当学会誌に掲載(2021年3月刊)の運びとなった。また、代表者岩坂は現在、本研究の理論的枠組み(ヴィゴツキー の流れをくむ社会文化理論)とその枠組みによる藤井氏らとの実践を研究論文としてまとめるとともに、アートと言語との協働による学習者の口頭発表を行うなど実践研究の新たな可能性について模索している。また、分担者竹内晋平氏も、データ分析の質向上に向け新しいデバイスを購入し、可能性に関する口頭発表を行うなど実践事例を行う準備は整えている。しかし、未だ収まりを見せていないコロナ禍において、理論実証に欠かせない実践が可能となる幼少学校協力校を見つけることは容易ではない。そのため、具体的実践が可能な方法なども含め、研究計画を見直す必要に迫られていることが主な原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍が新たな局面を迎え、今しばらく制限が厳しい学校現場に対応した実践授業の方法を再構成する。例えば、非対面(オンライン)でも行えるリモート授業の可能性、あるいは、マルチコントロールが可能なデバイス(ビデオカメラ)での撮影を現場の教師等に依頼し、その分析を協働で行う、などが考えられる。また、それに伴い、研究成果の還元方法についても修正案を検討することが必要であろう。これまでに口頭発表した社会文化理論に基づく外国語学習理論とパイロット実践事例をもとに発展的な言語とアートの連携授業案を検討し、現実的な実行可能性を考慮しながら実践を行える現場の模索が必要である。
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Causes of Carryover |
昨年度はコロナ禍の影響で授業の検討や実践授業のための出張等にほとんど行けなかったため、移動費として計上していた分が使用できていない。今年度も未だ出張等の移動は制限されているが、可能となれば、学会や授業実施の場所として、九州、あるいは愛知での実践、及び、関西圏での打ち合わせ等での旅行費に使用する計画がある。
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