2019 Fiscal Year Research-status Report
幼児・児童の英語力および意識・態度に影響を及ぼす家庭要因の特定と関係性モデル構築
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19K00769
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Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
羽山 恵 獨協大学, 外国語学部, 准教授 (60409555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 裕美 神田外語大学, 児童英語教育研究センター, 講師 (10716434)
及川 賢 埼玉大学, 教育学部, 教授 (60262218)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 早期英語教育 / 小学校英語教育 / 家庭 / 保護者の関与 / 学習意欲 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である2019年度は、(1)すでに行った研究資料の見直し、(2)すでに行った研究データの再分析、(3)子どもの学力および学習意欲に対する家庭の影響に関わる関連研究の収集と調査、(4)子ども(主に小学校高学年生)の英語力を測定する方法論に関わる関連研究の収集と調査、(5)研究データ収集依頼の計画の検討を行った。 本研究は2017年度に行った「草加市・獨協大学地域研究プロジェクト」、『草加市の幼児・児童が持つ外国語(英語)に対する興味・関心および学習意欲に関わる実態調査:生活習慣、家庭環境、学習状況、園・学校における取り組み等に基づく要因分析の試み』を基盤としているため、その際に用いた研究資料(主に保護者アンケート)の見直しを行った。先行研究では因子分析および重回帰分析から、子どもの英語に対する「学習意欲」「知識・理解」「使用意欲」の3つの従属変数と、それらに関連している8つの独立変数が特定された。使用したアンケート調査票は、分量が多いもので14ページにもわたったため、本研究においてはそれらをスリム化するため、得られた独立変数に直接的に関わらないと思われる質問項目の削除を試みた。 また、家庭に関わる要因と子どもの英語知識・能力との関連を探ることが本研究の主題であるため、それらを測定する方法論の検討も行った。現時点では、河合(2018)で用いられた英語音声の知覚テストと産出テスト、および河合・田中(2019)で用いられた語彙テストと音-文字一致認識テストの4つのテストの応用が有効と考えている。 研究データの収集に関しては、国内の大都市圏、地方都市、郡部の幼稚園・保育園・小学校に協力を依頼し、大規模に行う計画を立てていた。しかしながら、2019年度末に新型コロナウイルスが流行し、小学校の休校措置がとられたこと、幼保の登園自粛が始まったことを受け、依頼を実行するに至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では、2019年度内にデータ収集への協力の承諾を得て、2020年度前半には研究資料(データ収集のためのアンケート)の印刷や発送を行い、後半には返却されたデータの受け取りや入力作業を行う予定だった。しかしながら、以下の理由で予定を遅らさざるを得ない状況である。 1)国内の複数の都市および自治体にデータ収集の依頼をしたいと考えていたが、印刷や印刷物の送付にかかる費用を押さえるため、かつ協力者にとっての利便性を考慮したため、紙媒体からWeb媒体へ変更することにした。Webアンケートの作成にやや時間を要している。 2)小学校高学年生に対して実施するテストは、学級担任の協力のもと授業時間内に実施してほしいと考えている。その依頼先を検討している最中、新型コロナウイルスの流行が拡大し、今なお休校措置が執られているために依頼を保留している。 3)家庭への依頼についても、新型コロナウイルスが流行中であること、小学校の休校や幼保登園の自粛、在宅ワークなど、保護者の負担が増大している最中、実行することは憚られる。こちらに関しても、保留をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの流行のため、研究データ収集上必須である家庭や小学校への働きかけが困難な状況が続いている。今後の状況を注視しつつ、可能な限り当初の研究計画を実行できるように努めたい。2020年度前半は、研究データ収集のためのアンケート調査用紙、英語能力テストをより精緻化していく。その上で、2020年度中にはデータ収集に着手したい。
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Causes of Carryover |
2019年度の後半(2020年1月~3月)の間に、国内各地へのデータ収集依頼のために旅費を計上していたが、新型コロナウイルスの流行のため出張を断念せざるを得なかった。 現時点では次年度(2020年度)も小学校や幼保にデータ収集の依頼をする目処がたたないため、新しいスケジュールを立て、研究を遂行していきたい。
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