2022 Fiscal Year Annual Research Report
小学生の持続可能な家庭学習法:低学年から英語を導入する小学校児童と保護者への調査
Project/Area Number |
19K00772
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
成岡 恵子 東洋大学, 法学部, 准教授 (90553769)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小学校英語教育 / 家庭学習 / フォニックス / 読み聞かせ / 英会話 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、過去3年間実施した調査の結果をまとめる作業となった。毎週被験者から提出されたレポートとフィードバックのやり取り、および調査終了時アンケートを基に、どのような英語家庭学習により、以下の4点が達成されるかについて分析した:(1)児童が英語をより身近に感じるようになる、(2)児童が英語に対して得意意識を持つようになる、(3)毎日英語に触れる習慣がつく、(4)保護者が児童の英語学習に積極的に関わるようになる。調査で実施した3種類の家庭学習(1. フォニックス教材を用いた学習をする、2. 英語絵本読み聞かせをする、3. 普段の会話の中に簡単な英語表現を取り入れる)の内、特にフォニックス学習と英語絵本の読み聞かせが、被験者児童および保護者への肯定的な影響を与えていた。 この分析結果を「外国語不安(language anxiety)」と、「動機付け(motivation)」の視点から考察を行った。保護者とのやり取りや終了時アンケートの結果から、被験者の小学校低学年児童が外国語不安を持つことが分かったが、その不安をどのように軽減し、動機付けに変えていけるか、についての考察を行った。本調査では家庭学習という形を取ることにより、日々の保護者とのコミュニケーションという児童が安心できる環境の中で、英語学習を進めていくことが可能となった。そのような環境の中で英語のインプットやフォニックス学習の導入をすること、さらにそれらを毎日の習慣とすることが、英語に対する不安をやわらげ、「有能感」が得られることで内発的動機付けを高めることにつながっていた。また、このようなプロセスを被験者保護者が明示的な形で経験することにより、保護者が英語教育や学校の英語の授業により強い関心を寄せることにつながっていた。そのような保護者の姿勢も、英語家庭学習を持続可能なものにする要因となり得ることを示した。
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