2021 Fiscal Year Research-status Report
第二言語学習者の屈折形態素習得と母語にない形式素性との関連性研究
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19K00883
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
栗田 さつき (小島さつき) 宮城大学, 基盤教育群, 准教授 (30713276)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 第二言語習得 / 屈折形態素習得 / 英語学習者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、上級レベルに達しても、尚、存在する第二言語学習者の屈折形態素習得の問題に対して、上級レベルに達した英語学習者の母語に存在する、またはしない形式素性の習得に関して体系的に研究を行うことにより、その問題の原因解明に貢献することを目的としている。本年度の具体的な成果は以下である。
本年度は、昨年度に引き続き、被験者のさらなる募集とその精査と各人の調査日などの予定を組んだ。その結果、17名の研究参加者の予定していた発話データを収集することができた。当初の研究参加者の予定は20名であったが、参加者の英語のレベルの問題(上級レベルとは言えない)や都合により参加が不可能となった参加者がいたため、全体の人数は減少した。しかし、先行研究と比較し、それより多い人数の発話データを得ることができたため問題とはならない。データ収集の方法としては、遠隔会議システム(zoom)を利用し、オンラインで、研究代表者と行われた。得られた発話データは、研究代表者との会話とDVDを視聴し、それにナレーションを英語でつける二つのタスクであった。この2つのタスクから得られたデータは、その後、文字に起こされ、その中から、三単現のs、過去形(規則動詞・不規則動詞)などのそれぞれの参加者の該当文法のエラー数をカウントし、それらの統計分析(カイ二乗検定)をおこなった。その結果、中国語母語話者と日本語母語話者との間に、統計的な有意差が見られた。このことから、中国語母語話者と日本語母語話者の間には、何らかの違いがあることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたデーター収集、文字起こし、そして、統計分析が一部終了し、今後の見通しがついたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、発話データの分析をさらに行い、その結果を学会等で発表し、その後、論文にまとめる予定である。論文の投稿を目標としている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で、前年度の予算を使いきれず次年度使用額が生じた。翌年度分として請求した助成金と合わせ、論文作成時に必要となる論文の英文校正や関連する書籍購入などにあてる予定である。
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Research Products
(1 results)