2022 Fiscal Year Research-status Report
戦乱から平和・安定への転換に関する比較地域史研究―九州を中心に
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19K00955
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
木村 直樹 長崎大学, 多文化社会学部, 教授 (40323662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧原 成征 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (20375520)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | キリシタン / 長崎 / 秩序形成 / 身分 / 村落 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、前年度より調査が先送りとなっていた史料調査を実施をおこなった。長崎県平戸の松浦史料博物館所蔵松浦文書および長崎県対馬歴史研究センター所蔵宗家文書について、特に17世紀の史料を調査撮影した。本研究においてメインターゲットである、中世以来その地域に居付き、近世大名となる大名家文書を調査した。これらの調査を通じて複製した史料によって、今後、在地支配や藩政機構、家臣団との関係などを分析している。 本科研のこれまでの研究については、研究代表者および分担者は、それぞれ研究成果を公刊することができた。研究代表者は、長崎や周辺地域が17世紀、特に島原の乱以後社会的安定へ向かい、その過程においてキリシタン禁制政策の変容などを明らかにし、その成果はR6年度に刊行される予定である。研究分担者は単著を上梓し、戦国期末から近世初期にかけて、あらたな社会体制ができあがり、幕藩体制として確立する過程を追究し、村落社会の変容と、新たに創出される都市のありよう、さらには身分の問題を論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度の未実施であった調査やそれに伴う成果発表などは、順調に進んでいるが、同時に本来は本研究の最終年度のとりまとめや補充調査が実施できなかったため、研究期間を1年延長し、最終年度に備えたい。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの史料調査で集約した史料の分析し、研究成果として公刊を目指す。同時に、小規模な研究会を実施する。補充的な史料調査もある程度実施する予定。
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Causes of Carryover |
令和4年度は、外部調査者に対して極めて限定的に閲覧を許可する、または閲覧そのものを受け付けない史料所蔵機関が多くあった。そのため令和3年度以来引き延ばしになっていた調査は行ったが、令和4年度に行う調査を令和5年度に実施することとした。また、本研究の成果について検討する小規模集会についても成果のとりまとめが令和4年度中は困難なため、令和5年度に実施することとした。
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[Book] 世界遺産の日本史2022
Author(s)
佐藤信編・木村直樹ほか18名分担執筆
Total Pages
384
Publisher
筑摩書房
ISBN
978-4480074836