2019 Fiscal Year Research-status Report
日本中世・近世都市郊外の開発とその歴史的過程に関する基礎的研究
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19K00967
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Research Institution | Nara University |
Principal Investigator |
河内 将芳 奈良大学, 文学部, 教授 (40340525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下坂 守 奈良大学, その他部局等, 特別研究員 (10150038)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 東山 / 八坂神社 / 清水寺 / 鴨川 |
Outline of Annual Research Achievements |
八坂神社では、八坂神社に所蔵される古文書・古記録の原本調査を研究代表者・研究分担者がその一員として加わる八坂神社文書編纂委員会と協力しておこなった。 具体的には、まず、これまでまったく公にはされてこなかった明治時代以降の「社務日記」の調査および撮影をおこなった。八坂神社では、江戸時代の記録をひきつぐかたちで「社務日記」が明治初年より残されている。これらの調査・撮影をすすめていくことで近世から近代にかけての八坂神社(祇園社)そのものの変化およびそれにともなう周辺環境の変化をあきらかにしていくことができると考えられる。 また、江戸時代以降の祇園社の組織を考えるうえで重要な史料となる祇園社役者であった狛氏の手になる記録「萬覚日記」の翻刻作業もすすめた。「萬覚日記」には、江戸時代の八坂神社内でおこった事象および周辺でおこったできごとなどさまざまな情報が記されており、これらの読解と翻刻により、これまで知られてこなかった江戸時代の諸事実があきらかになると考えられる。 さらには、江戸時代以降現在もおこなわれている千日詣にかかわる史料が残されていることがあきらかになり、その調査も開始することができた。 いっぽう、清水寺では、研究代表者・研究分担者がその一員として加わる清水寺史編纂委員会と協力して、清水寺に所蔵される古文書・古記録および絵画史料の調査・研究をおこなった。また、清水寺成就院役人の手になる『清水寺成就院日記』の翻刻作業もすすめ、江戸時代後期にかけての諸事実があきらかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
八坂神社および清水寺での古文書・古記録・絵図などの原本の調査を定期的におこなうことができている。これは、調査先の八坂神社および清水寺の関係者のご理解・ご協力があってのことであり、たいへん感謝している。次年度も今年度と同様にひきつづき、細心の注意と敬意をはらいつつ、調査・研究をすすめていきたいと思う。なお、調査・撮影した史料の翻刻作業も順調にすすんでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
八坂神社および清水寺において、着手できていない分の古文書・古記録・絵図の調査・研究をすすめていきたいと思う。また、八坂神社および清水寺以外の東山に所在する神社・寺院での調査もすすめていきたいと考えている。あわせて、目下すすめている史料の翻刻作業もさらに進展させていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究成果の図書の献本に費用が必要となったため。そのことを念頭に諸費用の計画的な執行をこころがけるつもりである。
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