2020 Fiscal Year Research-status Report
The life history of the movement against Japan-the ROK normalization talks: with analyzing the diary of the exective director of Japan-Korea Research Institute
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19K01005
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Research Institution | Niigata University of International and Information Studies |
Principal Investigator |
吉澤 文寿 新潟国際情報大学, 国際学部, 教授 (30440457)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 日本朝鮮研究所 / 日韓条約 / 在日朝鮮人 / 在朝日本人 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行したため、海外学会などにおける研究成果発表は断念せざるを得なかった。今年度は故・木元賢輔氏の日記、録音インタビュー資料の整理、国内における出張及び資料収集などに、活動を限定した。 2020年9月26日、立命館大学日韓関係研究会において、「日韓会談反対運動に関する日常史的研究(1960~1965年)と題した研究報告を、Zoomによるオンライン開催で行った。この報告は木元氏の日記資料を中心に事実関係を整理し、同氏が日本朝鮮研究所の事務局長として活動し、本格的に日韓会談反対闘争に関わるなかで、在日朝鮮人に対する思いや、当時親しんだ文学や映画に対する評論なども紹介して、同氏から見た当時の社会の諸相を明らかにした。この研究報告は初めての研究成果発表であり、10名程度の参加者を得て、意見交換を行った。 同年10月9日に新潟県内にある故・吉岡吉典氏の蔵書を管理している方を訪ね、関連資料を収集した。この蔵書は日本共産党参議院議員として活動する一方で、日本近現代史についての資料を収集・分析した吉岡氏の足跡をたどることができるものとして注目される。 2021年2月11日から14日にかけて、木元氏が中学及び高校時代を過ごした大分県杵築市及び別府市などを訪ねた。朝鮮に生まれた木元氏が家族とともに引揚げてきてから、日記の記述が始まるので、日記に記載されている施設や、木元氏が通っていた高校などの足跡を訪ねた。同窓会事務所や図書館、さらに観光案内所などで当時の大分県内の様子を調査し、木元氏の中学、高校時代の環境について理解を深めた。 同年3月までに木元氏が大阪、京都で過ごした時代に知り合った方に連絡を取ったり、木元氏の親族の方と連絡を取るなどして、さらに研究が進展できる環境をつくった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日記及びインタビュー資料の整理は着実に進んでいるものの、とくに今年度は海外出張ができなかった。木元氏の足跡をたどるフィールドワークを実施したことで、どうにか研究のペースを確保した。関連資料の収集に努めるとともに、パンデミックの間は、研究発表を国内に求めつつ、今後のさらなる調査を進めるための準備をするにとどまったことから、「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度中に木元氏関連の一次資料の整理を一段落させたい。 また、前述の通り、関連資料の収集を継続的に実施し、海外の学会などでの研究発表の見通しが立たない間は、国内の学会により多く参加するように努める。 そして、国内のフィールドワークなどを通して、今後のさらなる調査を推進する。
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Causes of Carryover |
前年度に引き続き、新型コロナウイルスのパンデミックにより、海外出張のための費用を執行できなかった。また、2020年度は人件費・謝金が発生しなかったため、2021年度以降、これらの資金を有効に活用して、資料整理及び収集、そして研究会などにおける発表、出版準備などの作業を進めたい。
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Research Products
(9 results)