2022 Fiscal Year Research-status Report
神宮御師資料の新たな発見に伴う信仰の地“伊勢”の総合的調査研究
Project/Area Number |
19K01006
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Research Institution | Kogakkan University |
Principal Investigator |
小林 郁 皇學館大学, 研究開発推進センター, 助教 (90779654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 裕信 皇學館大学, 文学部, 准教授 (10440835)
浦野 綾子 皇學館大学, 研究開発推進センター, 助教 (30825774)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 史料研究 / 伊勢神宮 / 神宮御師 / 伊勢信仰 / 墓石群調査 / 考訂度会系図 / 参宮人帳 |
Outline of Annual Research Achievements |
当年度は、①古文書調査及び調書の一覧データ化、②書籍(和本類)調書の一覧データ化、③研究成果発表・準備、④研究調査報告書(最終年度刊行予定)の準備を主とした。 ①古文書調査を計8回行い、近世~近代文書約450通の調査が終了した。神宮御師関連の資料が集中している文書箱「A-4」の調査が完了し、新たに「A-5」の文書箱の整理に着手した。また、これまで整理してきた古文書調書のデータ化も進め、全体量の約2/3を一覧化することができた。 ②書籍(和本類)調査については計38回行った。当年度は既に完了している「B-1」~「B-17」の和本調書のデータ化に専念し、年度中に全ての調書の一覧化が完了した。また、主に「B-3」に橋村正克の著作物が多く残されている点が注目でき、これまで確認されてこなかった著作物・蔵書も確認された。 ③これまでの調査研究で得られた知見を素材とし、論文1本・学会発表1本・Misc3本・講演会4回の研究成果発表を行った。また、最終年度に開催予定の科研費報告展覧会の準備を進めた。 ④最終年度に刊行予定である研究調査報告書の作成に向けて、古文書班・和本班・墓石調査班それぞれで原稿執筆の諸準備を進めた。古文書班・和本班は、数回の調査日を設けて作成済の調書とその原史料を熟覧し、執筆の為の写真撮影・情報収集を行った。墓石調査班は、昨年度に引き続き7月末頃に打ち合わせを行い、互いの執筆内容の確認と再調査の必要性などの調整を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は5年間の計画で、「伊勢御師橋村家関係資料」の保存環境整備・同資料群の調査および仮目録作成・他館所蔵の関係資料調査・橋村氏墓石群の調査を主な目標としている。当年度(4年次)までの進捗状況は以下の通りである。 ①「伊勢御師橋村家関係資料」のうち、古文書(A群)・書籍類(B群)・軸類(C群)の一部・雑(D群)が清掃完了しており、これは当該資料群全体の約95%に相当する。また、新たに所蔵者の家屋から和本・巻子・器物が数点確認されたため、これらも清掃対象資料として今後の計画に加える。 ②この4年間で古文書約4000点・書籍(和本)約1000点の調査が終了し、古文書は全体の約40~50%、和本は全体の約20%に相当する。当年度の古文書・書籍(和本類)の調査は、これまで取り溜めてきた史料調書の一覧データ化を進めることに比重を置いた。当初は3年次までに目録を作成する予定だったが、予想以上に資料の数が膨大であることと、新型コロナウイルス感染症の影響により数年にわたり十分な調査・整理時間が確保できなかったことから、研究の進行にやや遅れを感じていることは否めない。 ③墓石群調査に関しては、宰記家・主計家の墓地(全54基)のみを調査研究対象とする方針で進めている。3年次までに各墓石の銘文解読・人物比定・写真撮影・実測・拓本採取がほぼ終了し、当年度は報告書に向けての準備を整えることに専念した。
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Strategy for Future Research Activity |
①「伊勢御師橋村関係資料」のうち、軸類(C群)の清掃を進める。また、新たに確認された和本・巻子・器物の清掃を進める。 ②文献資料の整理・調査については、これまで取り溜めてきた調書のデータ入力を最優先に行う。同時に、原史料と照合することで調書の内容に誤りがないかを確認し、より正確な情報公開ができるよう努める。 ③墓石群の調査については、3年間で得られた情報を整理し、実測図・拓本のデータ化、墓石銘文一覧表の確認・整理、墓石写真の確認など、報告書作成に向けての準備を整える。また、必要に応じて現地での確認調査も数回実施する予定である。
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Causes of Carryover |
研究活動の拠点となる神道博物館において、施設内点検や燻蒸作業により一時的に施設利用が不可となる時期が発生したため、使用予定であった人件費(資料調査等のアルバイト代)に余りが生じた。当残額については、次年度の人件費として使用する計画である。
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Remarks |
「御師の形成と発展」(第572回伊勢郷土会講演、2022年)、「伊勢御師にみる“おもてなし”の歴史」(株式会社伊勢福「おかげ講習」講演、2022年)、「中世文書を読む」(皇學館大学研究開発推進センター史料編纂所古文書講座講演、2022年)、「神宮御師資料研究の現在地を紐解く 現状と課題~橋村家関係資料を例に~」(NPO法人旧御師丸岡宗大夫邸保存再生会議「御師文化再生フォーラム」講演、2023年)
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Research Products
(5 results)