2021 Fiscal Year Research-status Report
説教の作成過程の解明―中世末期イタリアにおける托鉢修道会間の知的交流
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19K01054
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| Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
木村 容子 信州大学, 学術研究院教育学系, 助教 (10636997)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 中世ヨーロッパ / 托鉢修道会 / 説教 |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究が目指すのは、中世イタリアにおいて説教が作成される過程を、托鉢修道会間の知的交流に注目して明らかにすることである。研究計画に基づき、2021年度は、前年度に続き、複数の修道会の説教が混在する写本に注目して、托鉢修道会間のネットワークと知的交流を調査・分析することに主眼を置いた。 事前の研究計画では、ドイツでの文献収集・史料調査を実施予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響により渡航を中止した。現地での調査に代えて、イタリア・ドイツ・オーストリアの複数の図書館を対象に、郵送あるいはオンラインにて入手可能な写本史料の収集を実施した(ナポリ国立図書館、バイエルン州立図書館ほか)。これまで入手した史料のデジタル写真について、トランスクリプション(文字起こし)作業と内容分析を進め、成果の一部を論文にまとめ、Archivum Franciscanum Historicum誌(An.114, 2021)において発表した。 論考では、複数の托鉢修道会の説教が混在して収録された写本に関して、特にフランチェスコ会士ロベルト・ダ・レッチェとドミニコ会士レオナルド・ダ・ウーディネというイタリアの著名説教師二人の組み合わせがイタリアのみならずアルプスを越えて広範な地域で確認されることに着目した。イタリアとドイツの5都市に残された写本を取り上げ、両修道会が互いの説教を取捨選択して参照するプロセスを明らかにし、托鉢修道会の外部(アウグスチノ修道参事会)においても二人の説教が独自の秩序によって筆写・参照されていたことを示した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度の研究計画として、前年度に続き、「複数の修道会の説教が混在する写本に注目して、托鉢修道会間のネットワークと知的交流を調査・分析すること」を掲げたが、コロナ感染症の影響によりヨーロッパでの史料調査・収集を中止した。しかし代替案として、前年度に引き続き、郵送やオンラインでの史料収集を実施して研究を一定程度進展させた。その結果、そうした研究成果の一部を国際的な学術雑誌において発表することができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本研究の集大成の年である。托鉢修道会間のネットワークと知的交流に関して、これまでの研究成果を総合して論文にまとめ、国際的学術誌に投稿する。そのために、入手済みの写本データの分析を続行するとともに、ヨーロッパの図書館での文献収集・史料調査を実施する。さらに国内のセミナーにおいても研究成果を発表する。
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| Causes of Carryover |
・当初計画では、令和3年度に海外出張を実施予定であったが、コロナ感染症の影響により渡航が困難であったため、令和4年度に実施することとしたため、次年度使用額が生じた。 ・次年度使用額は、令和4年度請求額と合わせて外国旅費として使用する。
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