Technical Analysis of King Tutankhamun's Costume

2022 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 19K01127
• Research Institution: Saga University
• Principal Investigator: 石井 美恵 佐賀大学, 芸術地域デザイン学部, 准教授 (30555008)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 河合 望 金沢大学, 新学術創成研究機構, 教授 (00460056) ; 西坂 朗子 東日本国際大学, エジプト考古学研究所, 客員教授 (30454193) ; 塚田 全彦 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 教授 (60265204)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: ツタンカーメン王 / 服飾品 / 染織品 / ３次元画像復元 / 保存 / 大エジプト博物館

Outline of Annual Research Achievements

2019年度より開始した本研究では大エジプト博物館保存修復センターと共同で保存修復しているツタンカーメン王の服飾品のうち、９点について高精細デジタル顕微鏡で詳細に観察記録し、３次元画像復元図を作成した。また一部の染色されている服飾品については可視光線、紫外線、赤外線のマルチスペクトル写真を撮影した。さらに貫頭衣、頭巾、下着、靴下の実寸模型を作成し、人体に着せ付け、着装についても検証した。2020年からの世界的なパンデミックの影響でエジプトへの渡航ができなかったため、当初予定していた実資料の測色ができず、研究計画の変更をすることとなった。大エジプト博物館保存修復センターの有機物保存室のスタッフが服飾品を詳細に高精細デジタルカメラで撮影し、画像を日本の共同研究者らとリモートで共有して、服飾品の製作技法について議論し、３次元の画像復元図を制作することで、研究の方向性を変更した。その結果、著しい劣化により判別が困難な服飾品の様子が復元画像でわかりやすくなり、ツタンカーメン王の服飾品とその時代の服飾史を考察するうえでの参考となる画像が制作できた。一方復元図を作成するにあたり、色彩選定の根拠となる、繊維、染料の情報が少なかったことから、今後の課題として材料の加速劣化試験による材料変化の情報や、ハイパースペクトルカメラによる材料の識別の研究などを通じて、復元画像の精度を上げてゆくことが課題であると考えられる。

Research Products

• [Int'l Joint Research] 大エジプト博物館保存修復センター(エジプト)
  • Country Name: EGYPT
  • Counterpart Institution: 大エジプト博物館保存修復センター
• [Journal Article] The Grand Egyptian Museum Joint Conservation Project. (2022)
  • Author(s): Nishisaka, A., Okada, Y., Ishii, M., Taniguchi, Y. and Nakamura, M.
  • Journal Title: Journal of the Conservation of Cultural Property [Bunkazai Gakkaishi] (In Japanese) Volume: 65 Pages: 1-18
  • Peer Reviewed
• [Presentation] Innovations in Mount-Making for Textile Display and Preservation for the King Tutankhamun's Textiles (2023)
  • Author(s): Mohamed, Y., Hend, Y, Menna A. M., Yokoyama M., Shibata M., and Kamal, H.
  • Organizer: Working Towards a Sustainable Past: Transcending Boundaries: Integrated Approaches to Conservation. ICOM-CC 20th Triennial Conference, Valencia, 18-22 May 2023
  • Int'l Joint Research