2020 Fiscal Year Research-status Report
黒曜石原産地のオープンデータ化によるLA-ICP-MSを用いた産地判別法の新展開
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19K01128
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
隅田 祥光 長崎大学, 教育学部, 准教授 (80413920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 達朗 九州大学, 比較社会文化研究院, 助教 (00582652)
及川 穣 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (10409435) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 黒曜石 / XRF分析 / ICP-MS分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度についてはコロナの影響で予定していたWDXRF分析が明治大学にて実施できなかったが,LA-ICP-MSについては予定通り研究分担者によって実施できた(九州の黒曜石を中心に30資料)。また,本年度は野外調査等が全く実施できなかったため,これまでの研究成果を公表するための論文執筆に専念した。結果,関連研究の成果も含めた2編のIF付きの国際学術誌,1編の国内の学術誌に投稿し,年度内に受理され公表された(いずれも研究代表者が筆頭著者)。 また,東ヨーロッパでのコロナパンデミックにより出版が遅れていたハンガリー国立博物館の学術誌(Prehistoric archaeological series of the Hungarian National Museum, IPH XIV (Inventaria Praehistorica Hungariae))の2021年内の出版が確定し,そこで1編の論文が公表される(研究代表者が筆頭著者)。さらに,これまでの研究成果を国際的なリソースとして発信していくためにオンラインデータベースに関するwebsiteを英語ベースで作成し,現在,閲覧可能な状況になっている。また,研究分担者が所属する九州大学アジア埋蔵文化財研究センターでのオンラインセミナーにて(2021年2月16日に実施),これまでの研究成果発表,ならびに,今後の研究計画に関する議論を活発に行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ下で予定通りの分析や野外調査は実施できなかったものの論文執筆という点では,多いに研究を進めることができた。さらに,オンラインデータベースも順調に閲覧可能な状況になり,概ね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,コロナの影響で昨年度内に実施できなかったWDXRF分析を6月に予定している。また,5月1日から3日の日程で開催される国際会議(International Obsidian Conference 2021 Berkely)にオンラインで口頭発表する。その後,Springerでの出版が予定されている本(Sourcing obsidian, ed. by M. Steven Shackley)の執筆を行うとともに,昨年度開設したオンラインデータベースの充実化を行う予定にある。野外調査に関しては地元の長崎県内の黒曜石原産地を中心に市町村の文化財関連の担当者とともに継続する。
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Causes of Carryover |
3月末に明治大学の研究施設(長野県長和町)に行って蛍光X線分析を行う予定であったが,コロナの影響による出張制限,受け入れ制限があったため,その残額をそのまま繰越し,今年度の6月に利用する予定である。
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