2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K01147
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Research Institution | Natural History Museum and Institute, Chiba |
Principal Investigator |
斎木 健一 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員(移行) (40250055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下稲葉 さやか 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員(移行) (00761545) [Withdrawn]
黒住 耐二 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員(移行) (80250140)
奥野 淳兒 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員(移行) (60280749)
伴 光哲 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員(移行) (10847932)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 学校標本 / 生物教育史 / データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度調査した高等学校標本のデータベース作成を行うとともに,旧安房南高校旧蔵標本については,校舎解体の時期が近づいたため,同校の校舎に保管されていた標本を千葉県立中央博物館に引き取った.この過程を記録し,標本レスキューに関する,標本の選別法,梱包法,輸送法,および引き取り時に必要な法的手続きに関する知見を得ることができた.従来,法的手続きとしては所有権等のみが気に掛けられていたが,種の保存法やワシントン条約など生物多様性保全関連の法律整備が進んだため,この分野についても注意すべきであることが明らかになった.旧安房南高校急増標本では,オガサワラオオコウモリ,ライチョウ,ナベヅル,マナヅル,エトピリカの5種が種の保存法対象種となり,法的な手続きを行った. 旧安房南高校旧蔵標本のうち,貝類標本ついては分類学的な研究を行い,ラベルが残されていない標本群から産地の推定を試みた.また,甲殻類については,教育普及方向への研究として,蔵の千葉県産十脚甲殻類標本を千葉県立中央博物館分館海の博物館で開催された企画展示「千葉県エビ・カニ大集合!」で展示した.安房南高標本には大正時代に館山市地先や印旛沼で得られた標本が含まれており、当時の甲殻類相を知る上での貴重な資料である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度に引き続き,コロナ禍のため高等学校の標本調査が行えない状況が長く続いた.年度後半には状況がやや改善し,すでに生徒のいない旧安房南高等学校校舎の調査などは,実施することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度にはコロナ禍の状況が改善し高等学校での調査が可能となった.このため,4-6月に現地調査を行い,得られたデータをもとに論文執筆を行うとともに,学校における自然史標本の取り扱いマニュアルと博物館での展示計画を立案する予定である.
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Causes of Carryover |
本研究は高等学校に保管されている標本が対象であるため高等学校での現地調査が欠かせない.しかし,コロナ禍に対する感染予防対策のため,多くの学校で,訪問しての現地調査について許可が得られなかった.このため,計画全体に大幅な遅滞が生じてしまった. 令和4年度に入り,多くの学校で受け入れのめどが立ったので,今後,各校を訪問しての調査を再開し,データ収集に努める予定である.
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Research Products
(3 results)