2022 Fiscal Year Research-status Report
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19K01218
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Cultural History |
Principal Investigator |
新井 裕美 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 学芸員 (00636201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽毛田 智幸 神奈川大学, 理学部, その他 (50614616) [Withdrawn]
三浦 麻緒 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 学芸員 (50817608)
瀬川 渉 横須賀市自然・人文博物館, その他部局等, 学芸員 (90792804)
高久 舞 帝京大学, 文学部, 講師 (10907570)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 湯立 / 神楽 / 南関東地方 / 職掌系湯立神楽 / 非職掌系湯立神楽 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は新型コロナウィルス感染対策によって各地の祭礼調査を計画どおりに実施できなかったため、文献や映像等を用いて調査を進めた。映像による調査では、湯立神楽を研究する個人から映像群の提供を受けた。映像群は旧式のビデオテープの収録のため、予算の都合上、対象の映像を選別してデジタル化を行った。この映像群には本研究では未見の映像があり、調査の補助と成り得た。 昨年度はこれらの映像分析を用いて、湯立神楽の分析を行った。湯立神楽は鎌倉鶴岡八幡宮に奉仕していた職掌に由る「職掌系湯立神楽」とそれには由らない「非職掌系湯立神楽」がある。職掌系湯立神楽の神楽は画一的であるが、非職掌系湯立神楽は楽器やそのリズム、座の内容や数、催行する組織等が地域ごとにバラエティーがあることが判明した。本研究では職掌系湯立神楽と非職掌系湯立神楽を比較した。また、非職掌系湯立神楽にも地域差があり、そこにも着目して調査研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、計画どおりに調査を進めることが出来なかった。各地の祭礼は、祭礼自体が全て中止、または関係者だけに参加が許される場合が多く、いずれの場合も祭礼を実見することはほとんど叶わなかった。本研究はこれまで注目されてこなかった非職掌系湯立神楽のフィールドワークに立脚しているため、そこから情報が得られなかったことは大変厳しい状態である。 その期間中は、研究実績の欄でも記載したように、映像資料から各地の湯立神楽の分析を進めた。また、実見できた祭礼では調査カードを作成しており、そのまとめを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度からは新型コロナウィルスの感染対策が緩和されたため、各地の祭礼が復活しつつある。今年度はできる限りフィールドワークを研究分担者と手分けして実施し、事例の収集をはかる。新型コロナウィルス感染拡大を受けて、約3年間は祭礼の実施が出来なかった地域も多いため、各地の祭礼がその前後でどのように変化したかという点にも着目する。 次年度は研究期間の最終年度であるため、調査記録をまとめ、報告書を充実させたい。報告書の作成にあたり、調査後に作成してきた調査カードや動画・静止画の整理を重点的に行う。
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Causes of Carryover |
前述したように、新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、各地の祭礼は中止又は関係者のみの参加となり計画どおりに進めることができなかった。このため研究の進捗に大幅な遅れが生じている。その遅れを取り戻すべく、研究期間を延長することになった。 2023年度からは新型コロナウィルス対策が緩和されてきているため、その遅れを取り戻すべく調査を行い、また研究会を実施する。次年度は、調査研究のまとめとして、報告書の刊行を予定している。報告書の作成には、アルバイトを雇用するための人件費と、印刷等の製本代が含まれている。
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