2022 Fiscal Year Research-status Report
効果的な再犯防止を実現するための改善指導のあり方についての総合的研究
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19K01340
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小名木 明宏 北海道大学, 法学研究科, 教授 (60274685)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 再犯防止 / 犯罪被害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、最近の我が国の立法状況と実務運用の現状と課題を国際的な視点からの検討しながら考察し、効果的な再犯防止を実現するための改善指導のあり方を検討するものである。4年目は、自らの犯罪に向き合うことの難しい事案、改善が難しい事案について以下のような研究実績をあげた。 (1)北大刑事法研究会において「いわゆるキャッシュカードすり替え型の窃盗罪につき実行の着手があるとされた事例 最決令和4年2月14日刑集76巻2号101頁」と題する報告を行ない、刑法解釈論のみならず、刑事政策的観点からの分析も行った。 (2)2022年8月に行われたドイツのデュッセルドルフの日本学シンポジウムのセクション:法と安全において「Die Vorverlegung der Strafbarkeit des Trick-Diebstahls(窃盗罪の処罰の前倒しについて)」を口頭報告し、特殊詐欺の被害の実態についても論じた。 (3)2023年3月にトルコのエゼイン大学で行われたシンポジウムにおいて「Einige strafrechtliche Betrachtungen in Bezug auf den Erdbeben(地震に関連する刑法上の考察)」を口頭報告した。これは、災害と関連する刑事犯罪の問題に言及したものである。 (4)社会貢献として、北海少年院において、被害者理解講座(2022年8月)、性非行グループへの講話(2022年9月)、法教育「刑事法」(2022年10月)、研究授業の参観と討論参加(2022年11月)を実施し、収容少年に対する再犯防止教育に積極的に参加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
シンポジウムで2件の口頭報告を実施できたので、研究成果の公表は断片的に実現できた。 また、コロナで中止していた少年院での少年院での実践教育としての再犯防止啓蒙活動がようやく実施できた。 他方、2020年4月以降の新型コロナウイルス感染拡大防止のため、日本刑法学会はオンラインでの開催となり、ドイツ刑法学会は今回も中止となり、多面的な情報交換が全く実現できていない。また、同じ理由で、ドイツ、オーストリアの実地調査が実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染拡大による出張制限が解除され次第、ドイツ、オーストリアで現地視察と意見交換を実施する。とくに、これまでに公表されたドイツ語による論文があるので、これをもとにプレゼンテーションを実施する。 また、次年度はドイツ刑法学会が開催されるので、情報交換を行いたい。オンラインによる意見交換も検討しているが、現実に会話するのとでは格段の違いがあり、できれば、対面による意見交換を実施したい。 ようやく再開された少年院での再犯防止啓蒙活動は、次年度も継続したい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う出張制限により、国内出張ならびに海外出張が実施できず、旅費等が未使用であったためである。 使用計画としては、新型コロナウイルス感染拡大によりこれまで実施できなかった海外出張のための旅費や研究に必要な書籍、資料の購入費用などに充てる予定である。
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Research Products
(2 results)