2019 Fiscal Year Research-status Report
「アフリカの角」地域の再編をめぐる国際関係の変容と政治体制変動
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19K01495
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
遠藤 貢 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70251311)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アフリカの角 / 地政学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、これまでの「アフリカの角」地域に関わる先行研究の包括的サーベイを行うとともに、さらには「中東」と「アフリカの角」の多面的な歴史的関係にかかわる既存研究を渉猟する作業を行った。また、こうした基礎作業とともに「アフリカの角」地域の動向を継続的に検討する作業を実施した。こうした作業の中で、「中東」と「アフリカの角」の相互作用の中に展開するアフリカ大陸側の旧来の「アフリカの角」を構成してきた国々における新たな政治的ダイナミズムを明らかにするための予備的考察を実施した。また、歴史的な研究を含む関連文献の精査と、オンラインに点在する資料のデータをまとめる作業を実施する。様々な情報が存在していることから、継続的に情報更新を行うとともに、情報を整理し、分析の俎上に載せるための基礎作業を実施した。なお、2019年度は、スーダンにおけるクーデタやエチオピアにおける政治体制の変化など、興味深い政治現象が生起したことから、こうした背景についてもその詳細を分析する作業を実施した。その成果の一部については、遠藤貢「「アフリカの角」と地政学」北岡・細谷編『新しい地政学』(東洋経済 2020年)として刊行された図書に発表したほか、日本国際問題研究所の研究会(2019年7月5日開催)における報告(「アフリカの角」と紅海の安全保障:アフリカ側の視座から)の機会を得て、一部成果を発表した。日本国際問題研究所での報告は、当研究所の成果として公開予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、エチオピア、あるいはケニアでの現地調査を予定していたが、様々な業務との兼ね合いや2020年に入ってからのコロナ禍の影響などもあり、現地での調査を組むことができなかった。そのため、知己の研究者との連絡や資料収集によりその分を補填する形で、一定の成果を上げることにつながった。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の影響は引き続き懸念されるため、当面海外での調査実施は困難と考えられる。そのため、さらに文献調査や資料分析など代替的な研究手法を用いることにより、着実に研究の基礎部分を固めることに注力する予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度は、当初予定していた海外出張が様々な理由で実施できなかったことから、その分の残額が発生した。2020年度も、現下のコロナ禍が続くと、当面は海外出張の実現可能性が少ないことから、状況を注視しながら引き続き適切な使用を検討する。
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Research Products
(3 results)