2023 Fiscal Year Annual Research Report
A study on household characteristics and women's work
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19K01691
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安部 由起子 北海道大学, 経済学研究院, 教授 (50264742)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 非正規雇用 / シングルマザー / コーホート |
Outline of Annual Research Achievements |
論文「Income effect of labor market participation by married women in Japan」(著者:安部由起子、北海道大学大学院経済学研究院 Discussion Paper Series A 372、2024年)では、有配偶女性の学歴別に、夫の所得が就業に与える影響を、就業構造基本調査の1992-2007年の匿名データを用いて検討した。大卒有配偶女性の就業率は、高卒有配偶女性の就業率よりも低いが、それが大卒女性の夫の所得が高いためなのかどうかを検討した。正規雇用と非正規雇用を別々に検討すると、夫の所得が与える影響は小さく、夫の所得は、大卒有配偶女性と高卒有配偶女性の正規雇用就業率の差、および、非正規雇用の就業率の差を説明しないことが示された。 論文「シングルマザーの就業状態の推移:就業構造基本調査と国勢調査の匿名データの分析」(著者:安部由起子、北海道大学大学院経済学研究院 Discussion Paper Series B 211、2024年)では、1992年から2007年の就業構造基本調査の匿名データを用い、子どもを持つ女性の中でのシングルマザーの出現率を母親のコーホート別に算出した。その結果、より近年に生まれたコーホートほど、母親の中でのシングルマザーの比率が上昇していることがわかった。さらに、女性の属性(配偶関係・子どもの有無別)別の就業率について、就業構造基本調査の匿名データと、国勢調査の匿名データから、その推移を集計した。国勢調査の匿名データによると、シングルマザーの就業率は、2010年代半ばに上昇したことがわかった。 また、2000年から2010年の国勢調査のデータを用い、シングルマザーの地域的分布を調べ、シングルマザーに育てられる子どもが多い地域はどこであるか、市町村別に調べた(河端瑞貴・柴辻優樹との共同研究)。
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