2019 Fiscal Year Research-status Report
Brand Switching Behavior in Customization Systems
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19K01965
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小野 晃典 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (20296742)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | カスタマイゼーション / ブランドスイッチ / ジルト効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
「カスタマイゼーション・システムにおけるブランド・スイッチング」と題した研究プロジェクトの一年目として、本年度は、主として、文献研究と予備調査に従事した。 一方の文献研究に際しては、マーケティング分野においてはほとんど知られていない心理学の新概念「ジルト効果」に辿り着き、この概念が、カスタマイズ製品のオーダーに失敗した消費者がブランド・スイッチするか、それとも同一ブランドの非カスタマイズ製品に留まるかを説明するための鍵概念として援用しうると判断した。 他方の予備調査に際しては、前年度までのカスタマイゼーション研究に用いた古い実験資材を活用し、心理学の謂うジルト効果が、はたしてカスタマイゼーションの文脈にも生起しうるか、小規模の実験を幾度か試みた。その結果、極めて明瞭に、ジルト効果を見出すことに成功した。 そこで、実験結果を急ぎ取りまとめて、日本マーケティング学会、および、日本商業学会と提携関係にある隣国韓国のKSMSが主催する国際学会KSMSインターナショナル・カンファレンスにコンペティティブペーパーとして投稿した。査読を通過して発表権を得て、研究成果を発表した。後者については、2019年度最優秀論文賞奨励賞を受賞する栄誉に浴した。 そのご縁で、年度末に、ニューヨーク大学(NYU)に招聘されたため、当地にて国際研究集会を主催して、研究発表と内容討議、さらには、大々的な実験を行う計画が立案された。ところが、ニューヨーク市における新型コロナウィルス(COVID-19)の蔓延に伴って、渡米は無期延期となってしまった。 そこで計画を変更して、予備調査で得ていたデータを再分析して得た知見を用いて、論文を再度まとめあげて、隔年開催の世界最大の学会、「カスタマイゼーション&パーソナライゼーション・カンファレンス2020」に投稿した。その論文は、二段階審査の一段階目を通過したところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」の項において報告したとおり、研究プロジェクトの一年目である本年度は、文献研究と予備調査を行う計画であったが、実際には、これらの計画を達成したうえで、調査結果を1本の日本語論文と2本の英語論文にまとめることに成功した。英語論文のうちの1本は、マーケティング論の国際学会において学会賞を受賞することができ、もう1本は、本命であるカスタマイゼーション研究の国際学会に投稿し、二段階審査の一段階目を無事に通過した。このような成果に鑑みると、本研究プロジェクトは、現在までのところ、当初の計画を遥かに超えて進展していると言ってもよいであろう。
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの進捗状況」の項において報告したとおり、本研究プロジェクトは、一年目にして、大いに進展したわけであり、その延長線上に、さらなる進展の道筋が開かれている。具体的には、本年度の予備調査は極めて小規模であり、国際学会における討議によって問題点も分かってきている。そこで、今後は、より大規模で精緻な調査を行うのが急務である。この調査は、「研究実績の概要」の項において報告したとおり、実は、本年度中に、ニューヨーク大学において行う目論みであった。ところが、ニューヨーク市における新型コロナウィルス(COVID-19)の蔓延に伴って、渡航計画は頓挫した。とはいえ、ウィルス問題が解消されない限り、渡米も出来なければ、人を集めての実験も実施できない。解消されたのと同時に、米国ないし日本において実験データを収集できるように、出来うる限りの準備を行いたい考えである。 他方、カスタマイゼーション&パーソナライゼーション・カンファレンス2020にも、例年どおり日本代表として出場権が得られそうである。こちらもウィルス問題により渡航が危ぶまれるところであるが、ウィルス問題が解消されたならば、欧州に渡航して、目下の実験結果を報告することによって、世界中から集まった一流の研究者たちから、さらなる研究の発展のためにフィードバックを獲得したい考えである。
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Causes of Carryover |
国際学会において学会賞を受賞したご縁で、ニューヨーク大学に招聘されたため、急遽、本年度末の2020年2月から3月にかけて、研究内容の討議と、消費者実験の実施を目的とする国際研究集会を主催することにして、資金の一部を年度末まで懸命に貯めていたが、折しも、新型コロナウィルス(COVID-19)がニューヨーク州を直撃し、渡米不可能になってしまった。それゆえに、予定されていた渡航費・滞在費・実験費は、全て未使用のまま手元に残る結果となってしまった。 新年度は、ウィルス問題が解消され次第、米国ないし日本において実験を行って、新データを収集したい考えであり、そこに助成金を使用させていただきたい。また、世界最大のカスタマイゼーション学会に投稿中の英語論文があるので、その論文が審査を経て順当に発表権を得ることができたならば、学会参加費・渡航費に、助成金を使用させていただきたい。また、当初は単独であったが共著者の力を借りての投稿であったため、本年度からの繰越金の一部を共著者分の参加費・渡航費に使用させていただければと考えている。
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Research Products
(2 results)