2023 Fiscal Year Annual Research Report
Conversation analysis of the internal exposure test result consultation
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19K02112
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
黒嶋 智美 玉川大学, ELFセンター, 准教授 (50714002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小宮 友根 東北学院大学, 経済学部, 准教授 (40714001)
西阪 仰 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 名誉教授 (80208173) [Withdrawn]
須永 将史 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (90783457)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 会話分析 / 内部被ばく検査 / 医療面談 / 知識 / 心配 / 責任 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は期間延長年度ということもあり、新たなデータ収集は行わず、昨年度まとめた報告書の内容を研究成果として発表を行った。代表者の黒嶋は、アメリカ社会学会で、乳幼児の内部被ばく検査の結果について通知をする医師と親のやりとりの分析を報告した。報告では、ほぼ無検出であるという通知が一通りなされた段階で、質問する機会が設けられた際に、親たちが自分たちの普段行っている子育てについて確認を求める質問をする際、フィラーや沈黙、言い淀みなどを伴い、望ましくない行為として産出されていること、また、心配の程度を弱めるような言い方が用いられていることが観察された。このような手続きには、自分たちの普段の子育ての方針の是非を問われることなく、保証されたいという話し手の志向が現れているものといえる。原発事故から10年以上たった今、親たちの内部被ばくへの懸念は、このように日常生活のなかでたびたび生じる子育ての方針にかかわる問題として浮上し、今もその程度は変化しつつも、継続している日常的な問題だといえる。本報告は現在、海外雑誌への投稿に向けて準備中である。 報告書の内容を研鑽したり発展させる目的で、研究チームとの毎月一回の研究会は今年度も継続して行い、各自の分析の進捗を報告しあう機会を設けられた。また、3月には別科研で招聘していたポール・ドリュー教授、モニカ・シモーネ博士両名より、今後の研究の進め方について助言をいただく機会も持てた。
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