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2019 Fiscal Year Research-status Report

地域精神保健における「参加の質」の尺度開発

Research Project

Project/Area Number 19K02196
Research InstitutionTokyo University of Social Welfare

Principal Investigator

田中 喜美子  東京福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (50823655)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords地域精神保健サービス / クラブハウス / 精神障害当事者 / 参加過程 / 仕事活動参加の質 / 仕事の人間関係への参加の質 / 日常生活の質の変容 / 変容のメカニズム
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、地域精神保健サービスの文脈における「参加の質」の尺度を開発することを目的としている。2019年度(研究初年度)は、本研究過程ステップ1の3つの主要課題(欧米でのフォーカスグループによる質的データ収集・グランデッド理論に基づくデータ分析・初期参加尺度項目の作成)のうち、データ収集・分析を、海外研究者からの協力を得て、成功裏に完了し、初期データ分析結果が国際学会でのポスター発表もできた。質のよいデータが得られたため、尺度項目を作成する前に、参加の概念に関する質的研究論文2つ(英文)を作成することにした。現在、結果の章の第1草稿が終わり、海外研究協力者からのフィードバックを基に修正しながら、その他の章の執筆に入りつつある。以下は、データ分析結果の要旨である。
*質的データから以下の主要概念が抽出された。
(1)精神障害当事者の日常生活活動への参加の質の変容(クラブハウスに来る前と来た後の日常生活の質の比較--物質的・生理・心理・社会・行動的側面について)
(2)クラブハウスでの日常参加活動の側面(意思決定会議・協働作業・人間関係及びクラブハウスへの参加の質)
(3)日常生活活動への参加の質の変容のクラブハウス的メカニズム(殻を破ること・自分に向いた仕事の探索・やり遂げられる自信・貢献できる自信)
*(2)の主要概念である人間関係及びクラブハウスへの参加の質に関しては、「クラブハウスの利用者同士の関係の質・利用者ー職員間の関係の両方が満たされて初めて一般社会へ参加しているという感覚が生まれる。利用者ー職員間の関係が、精神保健サービスでよく体験されるパターナリズム的な縦関係から同じ人間としての同胞関係に変容しなければ、一般社会での疎外感は真に克服されないかもしれない。」、(3)からは、「殻を破るという概念は後の3つの概念に先立つことが参加の質の鍵を握る」という仮説が生まれた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

昨年度実行した研究の第1ステップは、質的データ分析に予定より時間を必要としたために若干遅れたということもあるが、主な理由は、収集したデータの質がよかったので、参加尺度項目を作成する前に、データ分析結果を2つの論文(英文)にして国際学術雑誌に投稿することにしたため余分の時間をとられているという建設的なものである。また、新型コロナウイルスパンデミックのため、2020年度前期に3密を破る専門家会議(第2ステップ)を開くことは研究倫理に反すると考え、この時期を論文作成にあてることは適切であると判断した。

Strategy for Future Research Activity

本研究の4段階のうち、ステップ1のフォーカスグループによる質的データ分析(完了)を踏まえ、今年度の主要課題はその分析結果を学術雑誌にこの夏終わりごろ投稿すること、「参加」尺度の初期項目をまず英文で作成すること、続いてその日本語版を作成すること(「参加尺度1」)、そして後半にエキスパートパネルを構成して参加尺度1の内容的妥当性に関する専門家会議を開くこと(ステップ2:「参加尺度2」の作成)である。なお、理論的サンプリングとして日本でもフォーカスグループデータを追加する必要があると判断したため、ステップ1の延長として今年度適切な時期に実行する予定である。以下ステップ3~4の計画を記する:

*ステップ3(2021年度)「参加尺度2」の予備調査(N=50)を実行し、本調査(N=500)の実行可能性の検討、及びその結果に基づく尺度の調整(「参加尺度3」の作成)。

*ステップ4(2022年度)「参加尺度3」の本調査(N=500)を実行し、統計手法を用いて尺度の信頼性妥当性を評価する(「参加尺度」の完成)。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス(Covid 19)パンデミックのため、3月に予定していた米国での追加データ収集及び分析会議をキャンセルしたために残額が生じた。データ収集は次年度以降パンデミックが収束するまで延期し、今回の残額はそのために使用する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2019 Other

All Int'l Joint Research (2 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Int'l Joint Research] King's College London(英国)

    • Country Name
      UNITED KINGDOM
    • Counterpart Institution
      King's College London
  • [Int'l Joint Research] Widener University(米国)

    • Country Name
      U.S.A.
    • Counterpart Institution
      Widener University
  • [Presentation] Conceptualizing the quality of participation among individuals with serious mental illness: A grounded theory analysis2019

    • Author(s)
      田中喜美子・Julie Williams・Eric Stein・Tom Craig
    • Organizer
      World Association for Social Psychiatry
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-01-27  

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