2022 Fiscal Year Annual Research Report
近代日本の大学における歴史研究・教育体制と学術行政
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19K02461
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
奈須 恵子 立教大学, 文学部, 教授 (80287557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 雄基 立教大学, 文学部, 教授 (00726573)
神野 潔 東京理科大学, 教養教育研究院神楽坂キャンパス教養部, 教授 (40409272)
小澤 実 立教大学, 文学部, 教授 (90467259)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 学問史 / 史学史 / 大学史 / 学術行政 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度及び研究期間全体を通じて実施した研究の成果は、主に以下の3項目である。 1.研究期間全体にわたり、近代日本の大学における歴史学の制度化に関して、史学科、史学関係講座、史学関係科目の設置・人員・カリキュラムの展開と教育・学術行政の関連性に着目し、国立公文書館所蔵の官立・公立・私立各大学の設置認可・学則改正の審査に関する文部省関係簿冊、デジタル化されてアクセス可能な資料、戦前の各大学一覧を中心に収集を進め、分析も行った。当初予定していたすべての戦前における大学ごとかつ時系列のデータベースの作成までには至らなかったが、研究分担者による個別の大学の事例研究という形での研究成果につなげていくことができた。 2.各学問分野の歴史研究の位置づけや役割とその変容について、研究分担者それぞれの専門とする近代日本法制史学、日本中世史学、西洋中世史学に即しつつ、研究を進めた。2020年度の研究分担者佐藤雄基編『明治が歴史になったとき』の刊行と、2021年度のその合評会(オンライン)の実施、さらに2022年度には研究分担者小澤実、佐藤雄基編『史学科の比較史』を刊行した。同書は敗戦前までの帝国大学、植民地・外地の大学、官立大学、私立大学における史学科・史学研究機関の歴史に着目し、近代日本における歴史学の制度化のプロセスを解明する研究成果となった。 3.上記の研究を通して、大学における歴史学研究・教育活動と、中等教育段階の歴史教育実践の担い手となる歴史教員の養成の結びつきへの着目と検討という、新たな問題関心へと発展した。佐藤雄基が所長をつとめる立教大学日本学研究所主催の公開シンポジウム(「はじめての日本史探究―歴史教育と歴史学の幸せな関係を求めて―」2023年3月)に、本研究も共催として参加し、現在の日本の大学における歴史学と高等学校における歴史教育の実践的課題について意見交換をおこなった。
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Research Products
(5 results)