2020 Fiscal Year Research-status Report
幼児の援助要請能力に関する発達研究:社会情動的スキルからの探求
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19K02656
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
西元 直美 関西福祉科学大学, 教育学部, 准教授 (50390117)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 援助要請行動 / 幼児 / 情動コンピテンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「援助要請行動」と「情動コンピテンス」「気質」「完全主義」との関連を縦断的データを用いて検討することを通して、幼児期における援助要請能力の発達機序を考察することを目的としている。そのためにまず、幼児の「援助要請行動」を捉えるための「幼児用援助要請行動チェックリスト」と「幼児用情動コンピテンス尺度」の開発が必要である。 令和2年度は令和元年度に実施した予備調査(予備調査A1)に基づいて「幼児用援助要請行動チェックリスト(原案)」を作成した。予備調査では保育者および養育者から幼児に見られる援助要請行動についてデータ収集を行った。具体的には、年齢(月齢)、他者に援助を求める状況、援助を求める行動(方法)についての記述である。記述された「状況」と「行動」について、それぞれをKJ法を援用した方法によって整理した。その結果抽出された「状況カテゴリー」と「行動カテゴリー」を軸にして、「状況」と「行動」の組み合わせに基づきながら、具体的記述内容を参照しつつ質問項目を考案した。 また、先行研究において児童、中学生、大学生・大学院生を対象とした情動コンピテンス尺度、情動知能尺度を下位尺度に基づいて整理した。その結果から5つの下位尺度に基づいて幼児用の質問項目を考案することとし、「幼児用情動コンピテンス尺度(原案)」の作成を行った。 作成した尺度(質問紙)の検討を目的として、保育者および養育者に対して2つの質問紙調査(予備調査A2,B)を行うため、保育現場(認定こども園、幼稚園)に調査協力を依頼し、調査実施準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「幼児用援助要請行動チェックリスト(原案)」と「幼児用情動コンピテンス尺度(原案)」の項目検討のための調査(予備調査A2,B)は令和2年度中に実施予定であったが、質問項目の整理および考案に予定より時間を要したことと、新型コロナウィルス感染拡大によって協力園との調整が順調に進められなかったため、予定通りに質問紙調査を実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
「幼児用援助要請行動チェックリスト(原案)」と「幼児用情動コンピテンス尺度(原案)」についての予備調査を実施する。対象は3歳児クラスから5歳児クラスの幼児の担当保育者と養育者である。本調査(縦断調査)で用いる質問項目を確定するために、予備調査で得られたデータによって項目分析を行い「幼児用援助要請行動チェックリスト」と「幼児用情動コンピテンス尺度」を完成させる。また、予備調査で得られたデータについて、本調査に使用する項目を用いた分析を行い、幼児の援助要請行動および情動コンピテンスについての基礎データとする。 加えて、本調査の実施準備、協力園との調整を行い令和3年度内の実施を目指す。
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Causes of Carryover |
予備調査(A1.B)が予定通り実施できず、調査協力園への謝礼、研究支援者雇用費の支出がなかった。予備調査(A1.B)は次年度に実施予定であるため、この予算については次年度以降の調査協力園への謝礼、研究支援者雇用費として用いる。 また、調査の遅れにより研究成果発表に至らず、研究成果発表のための旅費が不要となった。この予算については研究の進捗が遅れているため、データ整理・入力の効率化を図るための研究支援者雇用費として用いる。
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