2021 Fiscal Year Research-status Report
作品・分野別漢文教育実践史に基づく漢文教育改善の研究
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19K02822
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Research Institution | Kyoto Notre Dame University |
Principal Investigator |
渡辺 春美 京都ノートルダム女子大学, 現代人間学部, 教授 (10320516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨安 慎吾 島根大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (40534300)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 漢文教育 / 実践史 / 文献目録 / 史伝教材 / 論語 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度における本研究は、①戦後における作品・分野別漢文教育実践史の研究と②戦後漢文教育関係文献目録の作成を中心に展開した。戦後漢文教育実践に関する資料収集がコロナ感染の拡大によって進まず、これまでに収集した資料に基づいて考察せざるを得なかった。文献目録に関しても文献の収集が十分にはできなかったが、新たな文献を補足し、充実させている。実践史研究を踏まえた授業構想に関しては、取り組むに至らなかった。中・高等学校において研究授業を行う計画については、変更せざるをえなかった。 ①作品・分野別漢文教育実践史の研究は、思想教材(『論語』)の実践史を考察し、第73回中国四国教育学会(2021年11月28日 B-9「国語教育Ⅱ」部会:山口大学 オンライン)で発表した。それを、加筆して「戦後漢文教育実践史の展開―『論語』教材を中心に―」(『九州国語教育学会紀要』11号)としてまとめた。また、漢詩教材の実践論稿を収集し、考察の準備を進めている。これらの実践史研究は、これまでの実践の成果と課題を明らかにし、今後の漢文教育を発展・充実させる上で意義ある研究といえる。 ②文献目録の収集に関しては、研究分担者(冨安慎吾:島根大学)が、先行の研究に新たに収集した文献を加えて目録を拡充した。現在は、1965年以降の文献を部分的に公開(https://kokugo.notion.site/6819d0bc9648441fadd6bbb1a1d799c6)している。目録は、「検索」および「フィルター」機能によって文献の検索が可能になっている。この文献目録の作成と公開は、漢文教育の充実に欠かせない基礎研究であり、教育・研究の進展に資する価値ある研究といえる。 本研究は、コロナ禍によって大きく制限を受けることになった。そのために、一部研究を変更するとともに、1年間の延長申請を行い、研究を充実させていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
まず、コロナウイルスの感染拡大にともない、「新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置」が施行されたことによって、また、重点措置の解除後も感染が危惧されることで、研究調査活動が制限されることになったことが挙げられる。また、中・高等学校における研究授業も中止を余儀なくされた。さらに、学会も中止になるなど研究発表の機会も少なくなった。これらの理由によって、本研究も大幅に遅れ、縮小せざるをえないことになった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の推進方策は、以下の通りである。 ①研究計画の縮小を行うことで、研究の質を高め、充実させる。本研究を戦後における作品・分野別漢文教育実践史研究に絞り、その質を高め、充実を図ることにしたい。実践史研究に基づく授業構想と実践は、縮小して行うことにする。 ②漢文教育文献目録の作成については、新たな調査活動を縮小し、これまでの目録作成の先行研究を活かすとともに、これまでの調査活動による収集を反映させ、「漢文教育関係論文データベース」として整備・充実させて公開することに重点をおくことにする。 本研究は、コロナ禍によって大きく遅れることになった。そのために、1年間研究期間を延長して取り組むことにする。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大が止まらず、「新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置」が施行されたことによって、また、解除後も感染への危惧によって調査活動の制限を余儀なくされた。また、学会の中止もあり、学会発表の機会が減少したこともある。また、代表者・分担者・研究協力者との協議の場も持つことも減少した。さらに、研究に遅れが生じ、研究の成果を報告書にまとめることもできなかった。 以上の原因によって、旅費、謝金等の支出が大きく減ったことにより、次年度使用額が生じた。 科研費による研究期間の延長申請を行い、1年間の延長が認められた。研究を次年度も継続し、研究成果をまとめて報告書を作成する予定である。次年度使用額は、調査活動、学会発表、報告書の作成に使用する予定である。
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Remarks |
webページ「漢文教育関係論文データベース」に関しては、研究分担者(冨安慎吾:島根大学)が中心となり、先行の研究に新たに収集した文献を加えて目録を拡充した。現在は、1965年以降の文献を部分的に公開している。目録は、「検索」および「フィルター」機能によって文献の検索が可能になっている。この文献目録の作成と公開は、漢文教育の充実に欠かせない基礎研究であり、教育・研究の進展に資する価値ある研究である。
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Research Products
(3 results)