2021 Fiscal Year Annual Research Report
大学教育後援会の事業と成果を指標として実施する大学評価の可能性をめぐる実証的研究
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19K02855
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
大川 一毅 岩手大学, 評価室, 教授 (20267446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶌田 敏行 茨城大学, 全学教育機構, 教授 (00400599)
大野 賢一 鳥取大学, その他部局等, 教授 (90314608)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大学教育後援会 / 大学評価 / 学生の保護者 / 大学の信用成果指標 / 外部評価 / ステークホルダー |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は①大学教育後援会(以下「後援会」と記載)の外部評価参加状況調査と「後援会アンケート」の追加実施、②「後援会」の設置動向とその背景をめぐる論文執筆、③これまでの研究成果をふまえた知見の公開、等の取組を進めた。 ①について、すべての国公私立大学を対象として「後援会」組織の外部評価参加状況を調査し、その事例が希有なことを確認した。これにあわせ、令和2年に実施したアンケートに回答のあった後援会に依頼して、外部評価参加の意義や可能性を問う追加調査を行った。この結果、「後援会」の大学評価参加実態や意欲は低かったが、「学生の利益に還元されるならば評価事業参加の意義はある」とした回答は多かった。また「後援会」はそれぞれの事業実施の中で大学への理解を深め、大学評価者としての資質を備えていることも把握した。これらをふまえ、「後援会」の大学評価参加は学生に寄り添った大学評価を実現する可能性をもち、ステークホルダー視点を反映した多元的評価にもなると結論づけた。①の取り組みで得た知見は日本高等教育学会で発表報告したほか、大学基準協会「大学評価研究」に投稿した。 ②について、本研究3カ年を通じて「後援会」それぞれの設置年度や沿革をデータベースに入力してきた。わが国の高等教育研究をみると、大学教育後援会の設置経緯やその背景をめぐる歴史的検証事例はなかった。そこでこれまで蓄積してきたデータを活用し、わが国大学史に照らした「後援会」設置動向とその背景に関する論考を進め、大学史の専門的学術誌である「大学史研究30号」に投稿した。その査読で大学史的研究意義が認められ、論文掲載となった。 ③として、研究成果の社会還元を重要視している本研究では、アンケート調査結果や学会報告要旨などをウェブサイト(http://iir.ibaraki.ac.jp/alumni/)や大学リポジトリで積極的に公表した。
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Research Products
(3 results)