2019 Fiscal Year Research-status Report
Science and technology policy in an era of diminishing research capability
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19K02857
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
林 隆之 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (30342629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富澤 宏之 文部科学省科学技術・学術政策研究所, 第2研究グループ, 総括主任研究官 (80344076)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 科学技術イノベーション政策 / 研究政策 / 研究拠点 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本の研究力が今後、低成長あるいは縮小せざるを得ない中で、先導的な位置を日本が維持し続けるための政策を検討することを目的としている。そのため初年度には、まずこれまでの第一期~五期の科学技術基本計画を中心とする日本の科学技術政策の成果についての批判的検討を行うとともに、今後の科学技術政策の方向性についての検討を行った。この結果は、研究イノベーション学会の学会誌における論文として公表した。科学技術イノベーション政策のフェーズは、これまでのリニアモデルやナショナルイノベーションシステムといった枠組みに加えて、今後、トランスフォーマティブな変化といわれるような第三の枠組みが生まれつつあり、その中での今後の日本の政策のあり方を検討することが重要であることを議論した。さらに、これまでの研究力低下や産業力低下の課題やその要因についてもあわせて論文において議論を行った。 また、次年度以降に分析を行うための、基礎的なデータとして論文・特許に関するデータや研究者数(FTE)などのデータを整理し、分析の基盤を形成した。共著関係からいくつかの領域について国内でのネットワーク関係を分析し、拠点(COE)が存在するか、どのように他とのネットワークを形成しているかを分析した。研究者データについては、大学の類型別の研究時間の分析などを行い、研究力縮小下での研究機能の集中と分散のマネジメントのあり方について予備的検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度であるため、まずは研究の基盤となる体制や分析を行っている。研究イノベーション学会における取組と融合する形で、本研究のうちのこれまでと今後の科学技術イノベーション政策のあり方の検討を行うことができたため、その点では、分担研究者以外ともディスカッションを行うことができ、有意義な取組となった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、第一に、ネットワーク・オブ・エクセレンスの構築可能性の分析については、論文・特許を対象としたビブリオメトリクス手法を用いて分析し、ネットワーク化を実施する。特に、論文数が減少している中で連携を増している研究分野を論文数や共著割合等から把握し、いかなる特徴を有する研究分野においてそのような状況が実現されているかを分析する。また、第二点としていた学際研究については、初年度においてトラスフォーマティブな変化という新たな枠組みが認識されたこともあわせて、学際的な拠点に関して分析を行っていく。
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Causes of Carryover |
学会発表が東京であるなど旅費のかからなかったことや、データ入手・利用の費用が初年度はまだ多くかからなかったため。
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Research Products
(5 results)