2020 Fiscal Year Research-status Report
Science and technology policy in an era of diminishing research capability
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19K02857
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
林 隆之 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (30342629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富澤 宏之 文部科学省科学技術・学術政策研究所, 第2研究グループ, 総括主任研究官 (80344076)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 科学技術イノベーション政策 / 研究政策 / 研究拠点 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本の研究力が今後、低成長あるいは縮小せざるを得ない中で、先導的な位置を日本が維持し続けるための政策を検討することを目的としている。その際に、絶対的な研究規模の拡大に限界がある中では、複数の研究機関が連携をする形で、ネットワーク型の卓越した拠点を形成することが一つの方法と考えられる。このような拠点は欧州においてはNetwork of Excellenceとして国をまたぐ形での拠点を形成してきたものであるが、日本でもそのような形式の検討が求められる。このような形式の具体的な方策として、日本ではこれまで日本特有の制度として大学利用・大学共同研究拠点の構築をすすめてきている。そのため、それら拠点を対象とする分析を行った。まずは各拠点がそれぞれの該当する分野の中で、国内において論文占有率などの各種の指標でどのような位置付けにあるのかを分析した。さらに、各分野内部での共著関係を分析することにより、いくつかの拠点について、その拠点をハブとする国内外のネットワーク関係が形成されていることを明らかにした。特に独立した国際拠点を日本に形成するという施策により構築された拠点と比較して、多数の国内研究機関との連携関係を形成していることが確認された。さらに、そのようなネットワークにより引用の高い論文創出などの他組織への効果が得られているかも分析し、いくつかの拠点については効果が確認された。また、人材育成の効果についても分析を行い、拠点化をすることによって当該分野の人材育成が一定の規模で進められていることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid19およびそれに付随する影響(教育のオンライン化など)のために、当初想定していたようなスピードで研究活動を実施することはできず、本年度に計画していた分析内容を全て実施するまでは至らなかった。しかし、今後それらの分析は実施していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、第一に、ネットワーク・オブ・エクセレンスの構築可能性の分析を進めていく。二年度に行えなかった分析である国際比較などについても引き続き、ビブリオメトリクス手法を用いて分析を行う予定である。また、二年目に試行的に分析した結果等に対して、より多くの分野を分析して、分野ごとの差異の検討も行う。また、第二点としていた学際研究については、学際的な拠点に関して学際性の指標などを含めて分析を行っていく。
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Causes of Carryover |
Covid19の影響により、予定していた学会・国際会合などが非開催およびオンライン開催となり、海外旅費や参加費が生じず本年度予算には残額が出た。残額については、最終年度の分析における費用ならびに成果発表の経費として利用する。
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Research Products
(4 results)