2022 Fiscal Year Research-status Report
サービス・ラーニングを通した教授・学習理論と実質的な教養教育カリキュラムの構築
Project/Area Number |
19K02870
|
Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
杉原 真晃 聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (30379028)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | サービス・ラーニング / パートナーシップ / 喜び / 学習意欲の向上 / 新たなプログラムの生成 / 地域団体の疲弊の防止 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、サービス・ラーニングにかかわる構成員の関係性に着目した。SOFARモデルを活用し、サービス・ラーニングを通して各構成員間の関係性がどのように変容したのかについて分析を進めた。その結果、以下のような変容が見られた。 ①学生が地域にて活動することで、地域団体および地域住民が喜んでくださる。②地域団体や地域住民が喜んでくださることが、学生(および大学教員)の喜び・学習意欲向上につながる(学びの深まりのステップ)。③活動を通して「地域住民と地域団体」「地域住民と学生」「地域団体と学生」の関係性が深まっていく。④あるプログラムにて良いパートナーシップが形成されていくと、その情報が伝播して異なる地域団体に届き、新たなパートナーシップとプログラムが生成される。⑤新たな地域のニーズに適合し、リソースとしての学生・大学教員が加わるため、「地域団体の疲弊」を避けることができる。 そして、このような変容プロセスにおいて、単なる相互でのコミュニケーションをとる関係から、相乗的・変容的関係に深まっていく様子も見られた。 一方、次のような課題が発生することもわかった。 ①新たな地域のニーズに応えるための学生や教員の発掘が必要。②さらには、「教員的な存在」「熟達者・支援者」としての先輩学生(過去に同じプログラムを受講した学生等)がいると学生間の自律的学習活動が成立していく。③「大学職員・管理職」ともパートナーシップが形成され、大学が組織として対応できると、プログラムの持続可能性が高まる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍にあり、サービス・ラーニングのプログラムがスムーズに展開できなかった。地域団体および地域の方々との接触にも限界があり、限定的な知見のみが得られることとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の感染症法上の位置づけが「5類」に変更される2023年度に、さらなるデータ収集と分析を進める。 また、これまで収集したデータと比較しながら、その共通点・相違点を見出し、ICTを活用したオンラインでの学習を混ぜ込んだブレンディッド・ラーニングがニューノーマルとなる今後の教育現場にとって、より有用な知見を析出する。
|
Causes of Carryover |
コロナ感染症の影響があり、研究活動が制限されたため。次年度はコロナ感染症に対する社会的制約が大きく緩和されるため、これまで制限していた研究活動を次年度に大きく進める計画である。
|
Research Products
(2 results)