2019 Fiscal Year Research-status Report
学習者の視点から探る世界史学習の内発的動機づけー国際的志向性の観点から
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19K02878
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
安井 もゆる 岩手大学, 教育学部, 准教授 (70241502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 春美 岩手大学, 教育学部, 准教授 (30598561)
吉原 秋 岩手県立大学盛岡短期大学部, その他部局等, 准教授 (00269242)
鈴木 道也 東洋大学, 文学部, 教授 (50292636)
小川 知幸 東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (70312519)
畑 奈保美 東洋大学, 人間科学総合研究所, 客員研究員 (60302064)
津田 拓郎 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (70568469)
田村 理恵 都城工業高等専門学校, 一般科目文科, 准教授 (40390554)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 世界史学習 / 内発的動機づけ / 国際的志向性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、学生および高校教員への聞き取り調査等により、世界史学習の内発的動機づけを探ることを通じ、いかにして能動的な学習を促すことができるかを考察し、世界史授業改善の鍵を得ようとするものである。研究初年度である2019年度においては、まず北海道・東北・東京・九州の合わせて9大学・高専の学生約1000人を対象に、外国史への興味の有無、興味を抱いたきっかけ(興味を持てなかった理由)などについて質問紙調査を行い、さらに回答者の中から約20人を選んで詳細な面接調査を行った。その結果、学生が外国史に興味を持つきっかけとして重要なのは、テレビ番組やマンガ・アニメ、ゲームなどの間接的体験、ついで高校世界史の授業、語学学習の順番であり、逆に外国史に興味を持てない理由として、そもそも外国に興味を持てないという場合が多いことが判明した。学生は、生まれて以来、それぞれが置かれた家庭・学校・社会環境の中で、さまざまな仕方・程度において外国の事物・知識に触れながら、外国への興味関心を抱いたり、そうでなかったりするものであり、そうした個々のライフヒストリーから生じる国際的志向性が、彼らの世界史学習への取り組みを大きく左右するものだといえる。このような外国史に興味を持つ(持たない)に至る各自の事情の個別性は、面接調査からも確認された。以上の知見は、学生それぞれの生育環境から生じた国際的志向性のばらつきを考慮し、外国への関心が薄い者に対してはそれを少しでも喚起しうるような形で、世界史の授業を計画・実践していく必要性を示唆するといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者・研究分担者・研究協力者合わせて10名が分担して、「研究実績の概要」にも記したように、全国規模で広範な学生を対象に質問紙調査を実施し、さらに北海道・東北・東京・九州の4地区で、さまざまな地域と生育環境の学生を満遍なく抽出する形で面接を行い、ほぼ所期の目的を達したといえる。調査結果の一部は、すでに「研究発表」欄に記載の論文で発表した。なお、日程の都合で実施できなかった面接調査が若干あるので、これらについては2020年度にあらためて実施を試みたい。
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Strategy for Future Research Activity |
世界史学習の内発的動機づけを探るには、学生に面接調査を行い、一人一人のライフヒストリーの観点からアプローチするやり方がきわめて有効であることが、初年度の調査で確認された。そこで初年度だけにとどまらず、さらに2年目においても、できるだけさまざまな背景を持つ多様な対象者を選んで、同じような調査を続けることで、データの蓄積を図りたい。一方、2年目の研究では、さらに調査対象を高校世界史教員にまで広げ、好評を得ている授業者が内発的動機づけの観点からどのような工夫を試みているのか、話を聞くとともに、実際の授業を見学し、高校生の反応を見てみたい。
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Causes of Carryover |
一部の面接調査を、面接対象者のスケジュールが合わなかったため、年度内に実施できなかった。これを次年度にあらためて実施する予定である。そのための旅費として、20万円余りを繰り越した。
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Research Products
(1 results)