2019 Fiscal Year Research-status Report
Research on Evidence of Higher Education Reform Outcomes in Response to Social Needs
| Project/Area Number |
19K02888
|
|---|
| Research Institution | Osaka University |
|---|
Principal Investigator |
齊藤 貴浩 大阪大学, 経営企画オフィス, 教授 (50302972)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
| Keywords | 高等教育改革 / 大学改革 / 大学評価 / エビデンス / 教育成果 / インパクト / 社会的要請 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高等教育改革がどのように社会の要請に応えているかについて明らかにし、そのエビデンスを生成しようとする研究である。今年度は、公表されている既存の資料をもとに、高等教育における教育改革の事例を包括的に把握するとともに、自らの大学や社会に対して成果を上げているとされる教育改革について、その分析の視点を定めることを目的に調査を行った。
具体的には、教育改革の事例として、現在進行中か、終了したばかりの博士課程教育リーディングプログラム、スーパーグローバル大学等事業などのプログラムを調査対象とし、文部科学省や学術振興会で公開されている取組の概要、中間評価の結果、最終評価の結果を最初の検討資料として、各教育改革事例の主たる取組と成果とを精査した。しかしながら、これらの情報は評価結果を基礎とする限りにおいて、評価設計による影響を強く受けることが明らかとなり、まずは評価の考え方について整理することを最優先に分析を進めている。
折しも、2019年度の国立大学運営費交付金に共通指標を導入し、評価に基づく傾斜配分を第4期中期目標期間から拡大するという方針が2018年末に出たことから、本調査研究も、自ずと教育改革の成果をどのように評価に用い、さらには社会に示すことができるかということを念頭に置かざるを得ない。そのため、これまでの代表者が行った研究や、本調査研究の概念を活かしつつ、日本評価学会や日本高等教育学会において3件の研究発表を行った。本調査研究の考え方の基礎を確立し、さらに今後の活用方策の一端を示すことができたものと考える。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高等教育改革の事例について、文部科学省や学術振興会で公開されている取組の概要、中間評価の結果、最終評価の結果などを収集し、横断的な把握を進めている。先述の通り、評価で用いられている情報は基本的に評価の仕組みに依存し、評価の基準を超える情報についてはほとんど収集できないことが明らかとなったため、まずは評価の考え方や在り方に関しての分析を行い、それを基礎として情報収集を進めている。このような概念の分析は、これからの大学評価の在り方にも活用できるものであり、実際、各種の大学評価の在り方に関する議論で活用している。
今年度は、これらの情報に加え、優れた取り組みとして高い評価結果を得た大学が自ら発信する情報をもとに、派生した組織や活動等への影響の可能性を検討する予定としていたが、新型コロナウイルス流行の影響により、統轄する団体や大学への訪問調査ができなかった。現状でのインタビューは、調査協力者にとって負荷が大きく、また事前に想定した質問を越えて、応答の中から踏み込んだ内容を聞くことができない。そのため、二年目以降で状況が落ち着いてから実施することとしたい。
|
| Strategy for Future Research Activity |
引き続き、高等教育改革の事例について既存の資料から整理するとともに、評価の考え方や在り方に関しての分析、その評価によって何が明らかになったかについての分析を行う。
次に、評価の枠組みを超えて、どのような成果が得られているかについて、特徴的な取り組みを絞って調査を行う。そのためには訪問調査が必要となるが、新型コロナウイルスの流行の影響がどこまで続くかがわからない。現状では状況が落ち着いてから訪問することを予定しているが、影響が続く場合には映像を伴う通話での対応を検討したい。
また、各種利害関係者の考え方を理解するための調査についても、新型コロナウイルス流行の影響を受けない内容での実施を検討したい。
|
Research Products
(3 results)
