2020 Fiscal Year Research-status Report
高い知能をもつ人が示す過度激動特性(刺激への感受性の強さ)に関する尺度開発
Project/Area Number |
19K02935
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
日高 茂暢 佐賀大学, 教育学部, 講師 (20733942)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室橋 春光 札幌学院大学, 心理学部, 教授 (00182147)
片桐 正敏 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (00549503)
富永 大悟 山梨学院大学, 経営学部, 講師 (30795597)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 知的ギフテッド(知的Gifted) / 発達障害(神経発達症) / 心理アセスメント / 特別支援教育 / 臨床心理学 / 過度激動(OE) / 刺激への感受性の高さ |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の結果を踏まえ、2020年度は過度激動(Overexcitability,OE)を評価する尺度開発を続行した。原版のFalk博士の協力を仰ぎ、予備調査を終了することができた(予備調査結果は論文化した)。定型発達大学生を対象に行った予備調査の結果、日本版OEQ-IIは原版と同様にOEを評価できていると考えられた。また一部、翻訳上の課題も見つかったため、最終翻訳版を作成し、本調査に向けた準備を推進することができた。 また2020年度は、想像性OE、精神運動性OEの亢進が注意欠如多動症(ADHD)との重複、あるいは誤診リスクになることを踏まえ、比較対照用のデータとして定型大学生を対象とした調査を行った。その結果、日本版OEQ-II得点が高い参加者ほどADHD特性も高いことが示されたが、ADHD特性の高い参加者が必ずしもOEQ-II得点が高いわけではない、という事も明らかになった(結果を論文化した)。そこで、OEとADHD特性の重複部分と単離される部分を検討するため、質問項目間の分析やROC解析を進めた(学会発表をした)。 なお、2020年度も、2019年度に引き続き、親の会と協同してアウトリーチ活動を継続することができた。 また今年度は新型コロナ感染症対応のため、対面での調査が困難であり、研究遂行と発表の一部を延期することとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍もあり一部計画変更や実施の延期を行ったため、当初の計画と変更した内容があるが、概ね順調に進捗している。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度は最終年度であるため、日本版OEQ-II標準化のための最終作業を行う。具体的には、予備調査より質問項目を修正した日本版OEQ-II、および外的妥当性となる心理尺度2種、及び発達障害傾向を評価する心理尺度を用いて本調査を行う予定である。本調査では、知的Gifted当事者および保護者を対象に実施する予定である。 新型コロナ感染症対策を踏まえ、本調査では、質問紙の郵送形式、Web回答形式のいずれかで行う予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナ感染症対策のため、①知的Gifted当事者への面接調査、②学会発表・学会等における情報収集、③知的Gifted当事者への研究参加への謝礼等を必要とする研究計画が中止・変更されることになった。そのため旅費や人件費・謝金として計上した予算が次年度に繰り越されることになった。 次年度は、増加した使用額をもとに以下の使用計画を検討している。①遠隔実施された調査参加者に対する謝金、②遠隔地の研究参加者の参加条件確認のための検査にかかるノートパソコン、消耗品、出張旅費、③国際学会誌投稿時における英文校閲費、の3点を見込んでいる。
|
Research Products
(3 results)