2019 Fiscal Year Research-status Report
自分では気付きにくい自動車運転中の悪癖抽出 ―教育的介入にむけて―
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19K03191
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中井 宏 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (90583526)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | car driving / everyday driving / driving ability / hazard awareness / safety education |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、運転中の悪癖を抽出し、ドライバー自身に認識させるための教育開発を目指す。ドライバーの何気ない悪癖を把握しておくことは、自動運転車と手動運転車の混在する期間において、両者のインタラクションを円滑にするための基礎データになる可能性を秘めている。バス乗務員を対象に、頻繁に走行する路線の白地図を提示し、記憶をもとにバス停、信号機、一時停止標識、無信号横断歩道等を書き込んでもらった。その後、正しく書き込めた箇所と書き漏らした箇所では、走行する際の心的状況で何か差異があるかを尋ね、口頭で回答を求めた。さらに、白地図で提示した路線を走行した際に記録したドライブレコーダのデータと記憶課題の成績を比較することにより、書き込めた箇所と書き漏らした箇所の差異を行動面から検証を進めている。 また近年、「若者の車離れ」が叫ばれている通り、都市部を中心にペーパードライバーが増加しているものの、転勤や出産等を機に、久しぶりに自動車を運転せざるを得ない者も一定数存在する。我が国では、一旦運転免許を取得すれば厳しい更新要件はないため、運転に必要な知識・能力がいくら低下しようが、更新可能である(視力など、一部の機能は除く)。こうした者が運転再開を望む際、当然ながら悪癖はついていないものの、どのような知識・技能が維持されているのか、逆にどの程度低下しているのかは明らかでない。そこで、免許取得後の運転頻度が低いペーパードライバーの大学生に対し、危険予測能力や道路交通法に関する知識を測定し、運転免許取得直前の教習生との比較を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
白地図を用いた記憶課題と公道走行時のドラレコデータを比較する際、公道走行時の周辺環境(交通量や駐車車両の存在など)の個人差が大きく、関連性を厳密に分析することが予想以上に難しいことが明らかとなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
バス乗務員にしてもペーパードライバーにしても、公道における実走行データを収集することに意義があると考えるが、走行時の外的要因の統制を考えると、室内実験や実験コースの走行などへの切り替えも検討する必要がある。
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Causes of Carryover |
外部での調査時、施設使用料等が不要だったことが大きく、また2020年度の国際会議参加費用が高額になると見込まれたため(実際には、新型コロナウイルス感染症の影響により国際会議は延期が決定)、繰越額が発生した。次年度は、実験用の機材を購入予定。
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Research Products
(8 results)