2021 Fiscal Year Research-status Report
Fake News: Who believes it? Who spread it?
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19K03194
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
眞嶋 良全 北星学園大学, 社会福祉学部, 教授 (50344536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 紘子 (中村紘子) 東京電機大学, 理工学部, 研究員 (30521976)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 社会系心理学 / 実験系心理学 / フェイクニュース / 陰謀論 / 二重過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,陰謀論やフェイクニュースの信奉と関連の深い,超常現象や疑似科学への信奉に関する研究成果を整理した学術論文を公表した (Majima, Walker, Turpin, & Fugelsang, 2022)。この論文では,これまでこの領域で示されてきた,熟慮的・分析的思考と信念の間に見られる負の関連が,必ずしも文化普遍的な傾向ではないのでは,という問いに基づき,超常および疑似科学的な主張,および深遠そうに見える戯言 (pseudo-profound bullshit) に対する受容と,思考スタイルとの関連を,日本および西洋文化圏の参加者で比較した。その結果,西洋文化圏では,分析的思考が非合理的信念を抑制する方向に働くのに対して,日本人参加者では,そのような関連性は見られず,分析的思考は信念を抑制しないことが明らかとなった。この点について,本代表者は,特定の信念や主張が,それぞれの文化の思考の規範を侵害する程度の差によるものと考えている. また,これとは別に,(特に)オンライン研究では,倫理面およびデータの妥当性を高めるという観点から,より参加者への負担が少ない調査・実験を整備することの重要性が指摘されているため,陰謀論信念をより簡便に測定するための尺度として,5項目からなる陰謀論的心性尺度 (Conspiracy Mentality Questionnaire, CMQ; Bruder et al., 2013)の日本語版の整備を行った.日本語版CMQは,概ね原版と同様の傾向を示すことが示されたが,一部,先行研究とは異なる結果も得られており,それが尺度自身に起因する問題なのか,陰謀論の信奉における文化差の問題であるのかについて,今後検討する必要性があることも明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では,フェイクニュースの背景にある認知過程,特に個人の認知特性とニュースの受容との間の関連性を検討した後で,フェイクニュースの最小反直観性,フェイクニュースの伝達可能性の検討を行う予定であった.しかしながら,2020年の年明けとともに生じた新型コロナウィルス感染症による研究計画の遅延が2021年度に入ってからも継続して生じている.理由の一点目としては,同感染症に伴う代表者の本務校での業務量の増大に伴い,本研究課題の遂行のために割ける時間が大きく減少したことがその要因として挙げられる.二点目としては,ほとんどの授業が遠隔・非対面化したことにより,実験室実験が不可能になった点も,本研究課題の遂行の障害となった. 特に,予定していた実験室実験が,新型コロナウィルス感染症の拡大によって,およそ二年以上にわたり実験室実験ができない状態が続いているために,2つの下位研究課題の検討が実質的に停止している.そのため,目的の4にある,フェイクニュースの受容と伝達に関する認知過程のモデル化も行えていない状態にある. さらに,研究経費の面からも,当初の計画で予定していた国内外の学会等における研究発表が全てバーチャル化したことに伴い,予算の中で大きな割合を占めていた旅費の支出がほぼ無くなり,予算の執行も十分には進んでいない.
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Strategy for Future Research Activity |
現時点において,新型コロナウィルス感染症は,その収束が見通せる状態にないことから,個別に実験室で行われる認知実験を前提とした研究を当初計画の通りに行うことは難しい.以上を踏まえ,フェイクニュースの伝達可能性については,オンライン実験でも実施可能な課題を工夫することで,研究を継続することを目指す. 一方,遅延期間を挟んだ前後での記憶を再生法によって測定することを予定していたフェイクニュースの最小反直観性の問題については,課題の性質上,オンラインでの実行が難しい.これは,実験課題そのものの問題というより,同一の参加者に対して一定以上の遅延期間をおいた複数回の実験参加を要請する仕組みが安価に利用できないことに起因する.当初予定していたクラウドソーシングを用いたオンライン研究では,遅延期間を挟む複数の実験・調査に同じ参加者を参加させることは不可能ではないものの,確実性に欠けるという問題があり,遅延を挟んだ複数回の参加を確実に達成できるオンラインパネルは利用にかかる費用がどうしても高額になるため,本研究課題の予算では賄えない可能性がある.このことを踏まえて,現在の研究環境で実行可能な範囲に留め,これまでの研究の過程で明らかになった信念維持の文化差の問題の検討を行い,最終的な研究成果の報告を行うことを予定している.
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Causes of Carryover |
当初計画で予定していた海外出張旅費がコロナウィルス感染症のまん延のために中止となったことが主たる要因となっている.残額は次年度の出張旅費および,追加で行う調査における参加者謝礼,学術論文投稿にかかる英文校閲費用やオープンアクセス化のための原稿管理料等で使用する.
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Research Products
(3 results)