2023 Fiscal Year Annual Research Report
Fake News: Who believes it? Who spread it?
Project/Area Number |
19K03194
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
眞嶋 良全 北星学園大学, 社会福祉学部, 教授 (50344536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 紘子 東京電機大学, 理工学部, 研究員 (30521976)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 社会系心理学 / 実験系心理学 / フェイクニュース / 陰謀論 / 二重過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,誤情報を含むニュースや信念が共有,拡散される過程について検討を行った。まず,Altay, Majima & Mercier (2023) では,肯定的な内容と否定的な内容では肯定的なもののほうが共有されやすく,それは他者からどのように見られたいか(例 やさしい,有能など)が関係していることを明らかにした。特に,他者から優しく良い人物と評価されることを望む人は,より幸福な信念やニュースを共有し,幸福なニュースを共有する人は他者から優しいと評価されるが,逆に有能さは低く評価されることが示された。永澤・淡路・高野・眞嶋 (2023) では,情報共有の目的によって共有行動が変化し,正確さを求めるプロンプトを呈示した場合は陰謀論は共有されにくいが,他者から称賛されることを目標とするような状況下では,陰謀論が共有されやすいことを明らかにした。加えて,そういった目標が与えられないデフォルト反応は,称賛獲得目標がある条件と同様であることも明らかとなった。 中村・松本・眞嶋(2024)では,擬人化傾向の個人差を測定する擬人化傾向尺度日本語版 (IDAQ-J) を作成し,その信頼性と妥当性を検討した。中村・眞嶋 (2023) では陰謀論信念とランダム性の認知や擬人化傾向・目的論的信念といったエージェンシー認知との関係を検討し,ランダムさや偶然性を否定する傾向よりも,事象の背後に意図や目的を帰属する傾向が陰謀論信念を促進する可能性を示した。 これらの研究成果により,本プロジェクトは全体として,フェイクニュースや陰謀論の信奉は,直感的思考に基盤を置くこと,分析的思考は信念の抑制に一定の寄与はするものの十分とは言えないこと,それらの情報を共有には自身の信念に加えて,自己の社会的位置づけが影響することが示された。
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Research Products
(6 results)