2019 Fiscal Year Research-status Report
日本人は何を変えたくないのか:変化への抵抗を生み出す諸要因の解明
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19K03218
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
村山 綾 近畿大学, 国際学部, 准教授 (10609936)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 変化への抵抗 / 道徳基盤 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、文化的・社会生態学的要因の特徴から、日本において社会システムの変化への抵抗が特に強いことを示すために必要な日本国内での調査、および、他文化圏でデータを収集するための準備を行った。調査の前段階として、都道府県別のさまざまなデータを収集し、人口流動性や人口密度、その他の変数(例えば、宗教施設の数や犯罪件数、議員に含まれる女性の割合など、変化への抵抗と関連が深そうなもの)との相関関係について検討した。つぎに、流動性、人口密度、直近数年間の地震などの自然災害発生の有無に関する情報に基づき、兵庫県を対象とした調査を行った。阪神淡路大震災時の震度に応じて3つのエリアに分類し、居住年数などとともに道徳基盤、現状の日本社会に対する肯定感、および社会システムが変化することへの抵抗の程度について、Web調査を実施した。信仰の有無や宗教性の程度、規範に対する態度などもあわせて測定しており、現在データ分析中である。次に、同様の質問紙調査を複数の他の文化圏で実施するための準備を行った。対象地域としては、道徳基盤理論やシステム正当化理論がこれまでに発展してきたアメリカに加え、日本と同じ東アジア文化圏の中国、近年経済的発展が目覚ましく、かつ仏教徒が多いタイ、そしてヨーロッパ圏から、日本と国土の広さや経済成長の軌跡、法体系が類似しているドイツを対象としたデータ収集を予定している。調査票の翻訳、ならびに調査の実施は、調査会社に委託済みである
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は予定通りの進捗ではあるが、年度末に発生したCOVID-19の影響により調査の実施自体が遅れる可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19により、国際調査の実施を2ヶ月程度遅らせる予定である。また、状況を鑑みて、調査項目に抑うつ傾向を測定するK10を追加することを決定した。COVID-19が本研究の仮説に及ぼす影響等については、今後の社会情勢を見ながら、適宜検討する予定である。
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Causes of Carryover |
国際調査の実施、支払いが2年目となったため、当該年度の使用額が少なくなった。すでに国際調査の見積もり、発注は終えており、当該年度と次年度をあわせた金額の支出を予定している。
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