2021 Fiscal Year Annual Research Report
連携と継続を促すポジティブな防災教育の展開-共助のための自助の学習-
Project/Area Number |
19K03230
|
Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
豊沢 純子 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (90510024)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹橋 洋毅 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (70583871)
島井 哲志 関西福祉科学大学, 心理科学部, 教授 (30136973)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ポジティブ心理学 / 人格的強み / 防災行動 / 防災教育 / 強みカルタ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ポジティブ心理学の人格的強み研究の知見に基づき、参加者が自他の強みを防災に活用できることに気づくことで防災行動を増加させることを目的とした防災教育を行い、実際に防災行動を増加させることができるか、強み介入の要素としての強みの認識や活用感が高くなるかという点から教育効果を検証した。 災害がもたらすネガティブな側面に注目して、被害を抑制することを目的とする従来の研究に対して、人が持つポジティブな強みに注目し、それを育み防災に役立てることを目的とする研究は、未来に向けた様々なリソースの形成にも役立つことが期待できる。本研究は、この考えを防災教育に導入することによって、自助と共助による防災行動の促進を試みた。そのための学校の授業で活用可能な教材として、防災強みカルタを開発し、授業の中でカルタを活用することや他者と交流する中で段階的に強みを防災に活用できるように教育内容をデザインした。 Covid-19感染症拡大の影響を受けて、当初予定していた紙媒体のカルタだけでなく、オンライン版のカルタも作成した。教育効果の検証のために大学生を対象として防災教育を行った結果、学習前と比較して、学習後の防災行動数が増加することが確認された。併せて、強み介入の要素としての強みの認識や活用感も高くなることが示された。この結果は複数の授業実践において再現されており、人格的強みを活用した防災教育の効果が確認されたと考えられる。 今後の課題として、実験群だけでなく対象群を設定すること、長期的な学習効果を検証することが挙げられる。また、強みを防災に活用する方法についての理解をさらに深化させ、強みの防災への活用感をさらに高くするために、24種類の強み全てではなく、防災に特に役立つ強みを選定の上、その強みに焦点を当てた教育を行うことの効果も検討することが望ましいと考えられる。
|
Research Products
(4 results)