2023 Fiscal Year Research-status Report
Determination of Geometric and Arithmetic Conditions Guaranteeing Non-density of Integral Points in Algebraic Varieties and in Orbits
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19K03412
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
安福 悠 日本大学, 理工学部, 教授 (00585044)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 最大公約数 / 整数点・有理点 / 一様有界性 / 軌道 / Vojta予想 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,ようやくCOVID-19の影響をあまり受けずに研究活動を行うことができた.京都大学数理解析研究所で開催された国際研究集会「解析的整数論とその周辺」では,世話人代表を務めたが,この集会でも海外からの講演者を5名お迎えすることができた.うち一名のAndrew Booker氏 (英国Bristol大)は本研究費で招聘し,様々なL関数で起きるMurmaration(群れの動き)についてご講演頂いた.まだ最初の結果が出てから1年ほどのテーマであり,この集会の参加者も含まれた国際共同研究が生まれることが期待される.また,Booker氏とは,ディオファントス方程式の有理点に関する計算機的な課題について議論し,本研究のテーマである整数点の非稠密性を,計算理論的に確認できる場合について研究討議を行った.
研究論文に関しては,2023年度に出版決定に至ったものはなかったものの,Ru-Vojtaの双有理不変量を用いて最大公約数の不等式を得た論文と,松澤陽介氏のアイディアに基づいて部分スキームの漸近的重複度とVojta予想を用いて軌道の整数点の一様性を証明した論文は投稿中で,さらに最大公約数に関しては,一次式の最大公約数のみならず,より高次の多項式の最大公約数の分析にも成功し,論文執筆を開始した.
得られた研究成果については,大阪公立大学・名古屋大学でのセミナー,及び台湾大学・大阪公立大学・群馬大学での国際研究集会で講演を行い,講演中の質問や他の参加者との研究討議を通して,関連する新しい研究課題も見出すことができた.周辺分野の新しい研究に関する知見も得られたので,2024年度以降の継続研究としていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1次式とは限らない式の最大公約数を,Ru-Vojta不変量を用いて分析する新しい結果を得ることができた.より具体的には,2次式と1次式の最大公約数,3次式と1次式の最大公約数,3次式と2次式の最大公約数について,上界を得られた.また,これらの結果の高次元版の研究にも着手することができた.これらの成果について口頭発表する機会も与えられたので,研究はおおむね順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,二次以上の式の最大公約数の上界を得ることに注力する.2023年度に,いくつかの低次式の場合にすでに結果を得ているが,手法は次数ごとの単発的な議論で,全ての次数を扱えるような統合的なものではない.そこで,2024年度は,どの次数でも扱えるような理論構築を行う.Ru-Vojta不変量の計算を行うにあたり,ブローアップ上の因子が豊富となる判定条件が肝要となるので,その決定に取り組む.軌道の整数点に関しては,一様有界性が崩れうる閉集合について分析を行う.松澤陽介氏と佐野薫氏が提唱している逆像予想を用いることで,この閉集合を回避できるようにならないか,検討していく.
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Causes of Carryover |
中東情勢の不安定化に伴い,当初予定していた海外の研究者の招へいが延期となり,主に旅費に残額が生じた.2024年度の招へいを予定しているが,世界情勢が変わらない場合には,必要に応じて,関連する研究を行っている他の研究者を招へいする予定である.
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Research Products
(10 results)