2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K03425
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
田上 真 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (50380671)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 調和指数デザイン / Fisher型不等式 / tight デザイン / Hamming スキーム |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の研究成果としては、まずQ-多項式スキーム上での調和指数T-デザインに対するFisher型不等式、およびそれを用いたtight調和指数デザインの定式化を行った。このFisher型不等式は数理統計の分野などで広く知られている組合せデザインを代数的に取り扱うことを可能にしたDelsarteによるアソシエーションスキーム上のデザインの濃度に関して与えられる一般性を持った不等式であり、この不等式で等号を満たすものがtight調和指数デザインである。この成果は興味深い組合せ構造を持った新しいデザイン理論の研究へ応用が期待できるものである。 もう一つの成果としては、上記の一般的成果を通信技術の符号理論でよく用いられるアソシエーションスキームであるHammingスキーム上で考察し、Hamming スキーム上でtight調和指数デザインの分類を行った。この研究で、上記のFisher型不等式として、重さ一定の符号に対するPlotokin限界式が現れたが、tightデザインと重さ一定の符号の濃度に対する関係性はいまだ判然としていない。それは今後の研究課題である。また上記のHammingスキーム上のtight 調和指数デザインが最近通信理論分野で盛んに研究されているネットワーク符号と関係が推察された。 上記の成果を第36階代数的組合せ論シンポジウム、JCCA2019などで研究発表を行った。また、この研究をまとめた論文が専門誌であるGraphs and Combinatoricsにアクセプトされ、出版予定(オンラインでは出版済)となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りに進んでいる。また、新しいデザイン理論の構築において、興味深い組合せ構造との関係を見つけることも一つの目的であったが、調和指数デザインとネットワーク符号に関係性が見られることがわかり、順調に研究が進んでいると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は上記デザイン理論とネットワーク符号との関係性に焦点を当てて、研究していく予定である。またTerwilliger代数をまだ用いていないので、Terwilliger代数レベルでHammingスキーム上の調和指数デザインの構造を調べていく予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度、新型コロナウイルスの影響により、学会等が中止となり、当初の計画よりも旅費が少なくなった。次年度、この助成金は学会等の参加に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)